猟奇少年と純愛少女

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だから毎日猫で我慢していた。今夜も作品を造るために支度をする。パーカーのポケットに父さんの工具箱から拝借した金槌を入れた。
今日は猫の頭を叩き潰そう。どれだけ殴ったらペチャンコになるだろう。


すっかり冷え込んだ外へ出た。
今日も親は帰ってこない。何故、あいつらは結婚したのだろうか。今の状態からすると、お互い身体の関係でしかなかっただろうに。母さんに限っては、父さんの金目的もあっただろう。本当にそれだけなのに、なんで……。



――なんで母さんと父さんは結婚したの?――



――それはね……――



……――あぁ。
そうだ。そうだった。
思い出した。思い出したよ。
そうか。あいつら……。



まぁ、別に良いけど。



ふと、俺は自分の両手が赤く染まっていることに気付いた。片手には赤い液体でベタベタになった金槌が握られている。
下を見ると頭がぐちゃぐちゃになっている猫。白い毛が真っ赤になっていて綺麗だ。


……え、……あれ。いつの間に。
駄目だな。作品を作り上げるのに、集中力が足りなくなってきた。初めの頃はこんな事なかったのに。やっぱり飽きてきたのかな。


そう考えていると、いきなり脳裏に人間の死体が浮かんだ。生首の、青白い子供の死体。
全身に甘い痺れがゾクゾクと広がった。


……やばい。
本当に、殺したい。
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