ミカちゃん

□秀介
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「時にミカちゃん。
僕はさっきまでお腹が空きすぎて死にそうだった。
なのに今は平気なんだ。
なぜだと思う?」

僕はコンビニのおにぎりコーナーで品定めをしながらミカちゃんに言った。ミカちゃんは「さぁ?なぜかしら」と気のない返事をする。"どうでもいい"という言い草に似ていた。
だが僕はお構い無しに続ける。

「君が変な話しをしたからだよ、ミカちゃん。
おかげで僕の食欲は見事に損なわれたわけだ。
それについてどう思う?」


「何も思わないわ」


僕の嫌みたっぷりな喋り方にも平然とするミカちゃんに若干腹を立てながらも、おにぎりの梅を二つ手に取った。
それを見ていたミカちゃんが口を開いた。


「あら、梅にするの?
内臓に似ていて素敵よね」



「……君の頸動脈に鉛筆をプレゼントしてやりたいよ……」



僕は手に持っていたおにぎりを元の場所に戻し、今度はこんぶ味のを取った。それに対してもミカちゃんが何かを言おうとしたので「余計なことは言わなくていい」と釘を打っておいた。


そしてレジに向かおうとした瞬間、懐かしい人影を見た。
僕は思わず声をあげてしまった。


「……秀介?」
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