猟奇少年と純愛少女

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マサトの死を確認した瞬間、これまで味わったことのない強烈な満足感が俺を襲った。

猫とは違う、殺す時の感触。
猫はすぐに死ぬ。
人間はなかなか死ななかった。

人間を殺す時の手応えは凄まじいもので、今でも絞殺した時に食い込んだ紐の痕が手に残っていた。それを指でなぞるとゾクゾクと快感が広がった。



俺は人を殺した。



この手で、

人間の子供を

死体に造り替えたのだ。



俺の鼓動が跳ね上がり、全身にはじっとりと汗をかいていた。
余韻に暫く浸っていると、いきなり北村の事が頭を過ぎった。

あいつはこの事を知ったら、きっと泣くんだろうな。いや、猫の時点で涙目だったから、発狂してもおかしくないな。

そう考えると、さっきまでの興奮が潮が引くかのように冷めていった。なぜだかわからない。快楽を堪能したいのに北村が邪魔をする。


俺はなるべく北村のことを考えないようしながら、マサトを抱え上げようとした。


しかし。
ここで予想外の事が起きた。
いや。予想はしていたのだが、忘れていたのだ。



「!」



お、重い……。

しかも想像以上に……。


死人がこんなにも重くなるとは思わなかった。色々な抱き上げ方や運び方を考えて試してみるがどれも上手くいかない。中学生の俺の力では、この重さを持ち上げるのは不可能に近かった。


……これは非常にまずい……。
 
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