猟奇少年と純愛少女

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あれから毎日のように猫を解剖した。作品が完成して家に帰った後でも興奮が治まらず、自己処理した事もあった。

しかし、最近は足りない。
猫だけじゃ足りなくなってきている。

もっと快感の先を見てみたい。全身に電流が走るような、頭の中が真っ白になるような、そんな快感……。猫なんかじゃなくて、もっと…。

そう、例えば、人間とか。

最近は何度も人間を開こうと思った。小学校低学年の子供の頭を金槌で殴って締め殺す。そんなことをいつも想像していたし、行動に移すのは簡単だった。
簡単な"はず"だったんだ。

それでも実際に行動に移そうと金槌を握ると北村が頭を過った。
最近、異様に話しかけてくる女子生徒。と言っても大した会話しているわけでもなく、思い出そうにも記憶に残っていないくらい意味のない話を繰り返していた。
そして、その会話の中では嫌でもあいつと……普通の人間と俺との違いを突きつけられることも多々あった。倫理観の違いが言葉の節々から漏れ、やはり俺はズレているのだろうかと再認識する。
その違和感はあいつも感じているだろうに、盛り上がりもしない短い会話を積み上げて、何が楽しいのか。それでも性懲りも無くほぼ毎日、笑顔で俺に話しかけては去り際に「話してくれてありがとう」と言った。


そんな北村が、俺の作品を見て悲しそうに目を潤わせ、「可哀相」と話していた。その時は偽善者はこう言うのかと思った。

でも、泣きそうなあいつを思い出すと何故だか金槌を置いてしまう。自分の事なのに、そんな自分がわからなかった。
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