猟奇少年と純愛少女

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お風呂から上がると、机の上に置いておいた携帯のランプが点滅していた。まさか、とドキドキしながら携帯を開くと、見覚えのない未登録のアドレスから一通のメールがきていた。



――――――――――
[件名]。

[本文]
榊原 慎一です。
――――――――――



心臓が跳ね上がり、顔が一気に熱くなった。

き……、きた!
榊原君からのメール!
あの時、勇気を出して本当によかった……!
彩花、千夏、ありがとう!!


胸の高鳴りを抑えるために数回深呼吸をする。そして画面の右上に表示されている時計とメールがきた時間を見比べた。


……――えぇっと、メールが来たのは二十分前。
今メール送ったら、遅れた内に入るかな……?
失礼のないよう、丁寧に送らなきゃ。
絵文字はどうしよう。榊原君はあんまりゴテゴテしたメール好きじゃなさそうだから、絵文字は控えようかな。
あ、話題も作りたいなぁ。
榊原君と共有できる話ってなんだっけ?



……暫く試行錯誤し、震える手でボタンを押して文字を打つ。文を作っては消しての繰り返しを経て、やっと

――――――――――
[件名]メールありがとう
[本文]
北村 梓です★
登録よろしくね^^

そういえば今日の
榊原君凄かったね!
魚の解剖とか平気?
――――――――――


という文が完成した。
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