猟奇少年と純愛少女

□5
3ページ/11ページ

庭の中心にビニールシートを敷く。端には使わなくなった植木鉢を置き、風で飛ばないよう固定した。
次に自分の部屋に戻り、マサトの上体を起こすと脇下から腕を通し、引きずるようにして運ぶ。庭に通じるリビングまだ来ると、マサトを壁にもたれさせるようにして座らせ、そこからおぶって庭に出た。材料が土で汚れるのは極力避けたかったし、短い距離ならこの重さにも耐える事が出来た。

ビニールシートの上に慎重に降ろし、仰向けになるように寝かせる。一通りの作業が終わり一息つきながら、何気なくマサトの頬を撫でてみた。
もう温もりが感じられない。
冷たいとまではいかないが、生き物が持つあの独特な優しい温かさが消えていた。

涙やら唾液やら汗やら……様々な体液がマサトの顔に生乾きで付着していたので、運ぶついでに自分の部屋から取ってきたタオルでマサトの顔を拭いてやった。
人間で初めて作品をつくるんだ。
精々綺麗にしてやらないと。

マサトの顔を拭いている最中にここからどう制作していこうか考えた。
基本、俺は顔に手を加える事が多かった。猫の時も、頭を中心に刃を入れたり殴ったりしていた。


腹をかっさばくのも良いが、やはり今回も顔を中心的に弄っていこう。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ