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土方さん夢




「土方さん、お茶ですよ」
「ああ」

新撰組の副長である土方歳三。
そして先刻、土方に茶を運んで来たのが彼と恋仲である女だ。

「土方さん?」
「なんだ?」


書類に向かっている土方。
それを見つめる女。

少しもこちらを向いてはくれない彼に多少の苛立ちが隠せない。
それどころかじっと見つめられている書類にまで嫉妬してしまう始末。


「土方さん、私…」

瞬間、何かが女の手を掴んだ。
そう、土方が女の手を引き、自分の胸の中におさめたのだ。

「…土方さんはツンデレです」
「んなこたぁ知らねぇな」
未だ女は土方の腕の中。
小さな女の身体を強く抱きしめ、頭を撫でる。


「拗ねてるお前がかわいくて仕方ねぇんだよ」


反論しようとする女の口をすかさず塞ぐ。
無論、己の口で。


「もう一回してください」
「…っ。馬鹿野郎」

そしてまた二人の影が重なる。
とある日のとある夕暮れのお話。



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