青い真珠に願いを
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森の奥にある湖。
近くに町があるが、ここに来る町の人はいない。
ただ、鳥のさえずりと草木が風に揺れる音だけが響いている。
太陽の日差しは湖の周りにある木々たちが遮り、湖だけが照らされている。
その光が淡く反射して幻想的に見える。
任務帰りの青年は、たまたま見つけた風景にみとれていた。
それを眺める少女がいた。
青年はまだ気付かない。
任務帰りの少女は、いつもここに来て疲れを癒していた。
ちゃぷ、と水が跳ねる。
魚が跳ねたのかもしれない。
湖の水は澄んでいて、魚が泳いでいる様子がよく見える。
少女は手を水に付けてみる。
ちゃぷ、と静かな空間に音が響く。
青年が少女に気付いた。
どのくらい見とれていたかわからない青年は、その少女がいつからいたのか予想も出来ないでいた。
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