VOCALOID

□伝えた想いは
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「V1君!」

珍しく彼が一人で歩いていたので、勇気を出して声をかけてみた。

「何?」

彼は優しい顔を俺に向けていたと思う。
話があると言って呼び出したのは誰も使ってない部屋。
窓からの光だけで電気は付けていない。

「話って何かな?」

彼の声は誰にでも優しくて、それは俺にも同じで。

「お、俺…」

言いかけて言葉が詰まる。
俺は一体何をしようとしているのだろう?


何も考えることが出来ない。
ただ、俺の手にはいつの間にかアイスピックが握られていて、その鋭利な先端は彼に向けられていた。
彼はどんな顔をしているのだろうか?

「あなたの周りにはいつもたくさんの人がいて、俺は遠くから眺めることしか出来なくて…」

「V3君?」

彼の声がいつもと違って少し揺れているようだった。
違うんだ。
こんなことが言いたいんじゃない。





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