ブチャラティ 長編夢
□25.Reminiscenza II
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ブチャラティ :side
グイードミスタ 17歳の時に殺人罪で逮捕される。
禁固刑15年から30年の判決
俺はニュースに目を通していた時
彼の証言から正当防衛≠ネんじゃないかと
その時感じた。
命の危機が迫った時に、動ける人間と動けない人間の二つに別れるとは思うが…俺は父親の病室に入ろうとしたゲス野郎どもに躊躇なく刃を向け皆殺しにしたことがあった。
あの時の俺は12歳だ。
不可能なんかじゃない。
**********
俺はある男を釈放した。
務所の出入り口で待ち構えていると、
目的の男は俺の姿を眼下に捉えた。
ここ数日前に組織に依頼をしてを、
釈放するように手を回して居た。
「あんたが俺を?」
「ああ。事件の報道を見て、お前は正当防衛だと確信した。」
俺がそう言うと、目の前の男は鼻でハンと笑った。
今まで誰にも信じられなかったのだろう。
だからこそ俺の言葉が酔狂に聞こえたのかも知れない。
「つまりお前は、とんでもない銃の才能と精神力の持ち主という事になる。だが、お前のような男は務所の中では2年と無事ではいられんだろう。だから…」
「裏から手を回したと…あんた組織の人間か?」
それができる人間は組織の人間しかいないのは明白だろう。
俺は特にそれには答えず、代わりに別の話をする。
「ついてこい。近くに美味いリストランテがある」
俺がリストランテに向かうと、
彼は俺の後ろを少し離れてついてくる。
… …
… …
リストランテに着くと、
俺はメニュー表をミスタに見せ、食いたいものはあるか?と聞いてみるが、彼は「あんたのおごりだろ?そんでもって、あんたのオススメした店だ。だとすると、美味いメニューは
あんたが選べば間違いないって事だ」と言うので俺は、美味いメニューを何個か選び店員に告げた。
店内を見回してみるが、ソフィアはやはりいない。
随分前に知っていたが、どうしてもここは唯一彼女に直接会える場所だった。
俺がまだギャングになりたての頃から通う、彼女が居なくて当然だった俺のお気に入りのこの店は…いつしか彼女が居て当たり前の場所になって居た。
半年か。
あれから…彼女を見かけて居ない。
見かけてはいないが、情報屋に定期的に聞いたりなんかして彼女が他の街に住んでいる事は知っていた。
…いつまでも彼女の面影を追ってばかり居てもいけないな。
俺は目の前で夢中で料理に食らいついているミスタに声をかける。
「良い食いっぷりだな。ここはブルスケットもいける。まだ食べられるか?」
口に含んだまま「ああ」と答えるので俺は店員に注文をする。
「すまない」
「はい」
「この男と…そうだな、あいつらの分も。ブルスケッタを4
つ。いや…やはり5つにするか。せっかくだ俺も付き合おう」
「かしこまりました」
俺は店員からミスタに向き直り話を再開する。
「で、話の続きだが…」
「オーケーだ。あんたとは上手くやっていけそうだ。だからオーケーだ。ただしドルチェも奢ってくれ。この店に苺のケーキはあるかい?」
俺が何も話して居ないのに承諾した事に驚くが、
面白い奴だとも思った。
「ふ…変わった奴だな。お前は」
「へへ」
すると後ろから足音がする。
ようやくあいつらが来たようだ。
「これも運命か。まぁ、悪くねェな。結果オーライだぜ。」
背後のメンバーを見て、そう言うミスタに
俺は疑問が浮かぶが…。
それでも仲間になることに決定したミスタを
仲間達に紹介した。
ミスタ :side
務所にぶち込まれた時は、
俺も運が尽きちまったのかって思ったけど、
どうやらまだ尽きてなかったらしい。
勧誘を受けて加入順も「4番目」ではなかったから
俺は快く仲間になることを承諾した。
「こいつは、グイード・ミスタっていう男でお前らにはすでに話していたが、銃の腕に相当見所がある男だ。」
リストランテでブチャラティが彼らを
紹介する。
他のメンバーに比べると
陽気で言っちゃ悪いが馬鹿っぽそうなガキが
俺に笑顔を向ける。
「俺はナランチャ。よろしくな」
手を差し伸べられ、握手をするが…
その時にグッと強く握られた上で
「言っておくけど、あんたが俺より年上だと言っても。加入は俺の方が先なんだ。先輩っていうのを忘れんなよ」
「あー、はいはい、分かりました」
俺は仕方がなく敬語で話す。
めんどくさいのはゴメンだ。
「えっと、それで他の方は?」
「僕はフーゴって言います。ブチャラティを抜くと一番の古株なんでわからない事は僕に聞くといいですよ。」
穴が空いた変わったデザインの服をきた金髪の少年は、
少年とはとても言えない落ち着きの払った態度で俺に声をかける。長髪の髪のいかつい男は俺の方をちらっと見て何も言わず代わりにブチャラティの方を見て声をかける。
「正確にはまだ仲間になった訳じゃねーんだ。そん時でいいだろブチャラティ」
「その話をこれからしないと行けなかったな」
正式な仲間じゃないって…
俺はふと考えた時思い出すことがあった。
「あれだろ?ギャングの…入団試験ってやつだろ?」
俺の言葉にブチャラティ以外、
ニヤニヤする。
「ただのラッキーでくぐり抜けられる試験ではないって事は覚悟しておくんだな」
「…スッゲーやな予感するが、やらねぇと加入できねぇって言うなら、ちゃんとやるぜ」
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