護衛チーム短編夢

□Perché ti piaccio?ー私のどこが好き?
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「Perché ti piaccio?ー私のどこが好き?」

*注意*
護衛チーム全員に一人一人
「私のどこが好き?」
と聞いてみる夢となっております。
所謂逆ハー風

護衛チーム全員
ミスタ→アバッキオ→フーゴ→ナランチャ→ジョルノ→ブチャラティの順番です。


_______________



名無しさん :side




私のどこが好き?
だなんて…

私は雑誌の恋愛欄を眺めながら
その積極性に素直に驚いた。
「雑誌には、気になるあの人に聞いてみよう
 近すぎて意外と気づかないだけで
 案外あなたの事を好きかも」
と言う謳い文句があった。

いやいやいや、それはない。
でも一度、本当に一度だけ仲間に聞いてみたら
どんな反応をするのか気になってきた。

よしやってみよう。


◆相手:ミスタ


「ねぇ…ミスタ…私のどこが好き?」

「はぁ?いきなりどうしたんだよ」

「答えて!」

おいおい、いきなり名無しさんのやつどうしたって言うんだよ。そりゃあ俺はよく名無しさんに好きだ好きだと言ってきたけどよォ。実際にこう言われると何だか素直には答えたくなくなる。

「そりゃぁ、お前ェ…、エロい身体をしてるとこグハッ」

「最低〜!!」

「いきなり頭を叩くなんて、どうかしてるぜ?」

「どうかしてんのはミスタの頭の方だもん!」

「いや俺の頭は正常だ。普通のイタリアーノなら絶対にそう答える。それが男ってもんじゃねーのか?」

「ミスタに聞いた私がバカだった!絶対に他のまともなイタリアーノなら、そうは言わないよ!」

そういう名無しさんの目線が、
アジトに飾ってある一枚の写真を捉えていた。そこには俺にアバッキオ、フーゴ、ナランチャ、ジョルノにブチャラティが写っていた。おいおい、名無しさんの中であいつらがまともなイタリアーノだって認識になってんのか?どうかしてるぜ。

「俺以外にまともなイタリアーノどこにいるってんだよ!」

「ミスタよりずっとまともでしょ!じゃあね歩く性欲さん」

そう言う彼女は不機嫌そうに俺の前から
去って言った。

歩く性欲とまで言われて俺は唖然とする。

だが、逆にポジティブに考えれば
それだけセクシーな男って意味なんじゃないか?
そうにちがいない。


◆相手:アバッキオ

私はなかなか言い出せずにいた。
だって、アバッキオだよ。

「おい、名無しさん…いつまでそうしてるつもりだ。何か用があるなら、さっさと言えよ」

私がアバッキオの部屋を訪ねて無言の10分間。それに耐えかねたのはアバッキオの方だったようだ。

よし、勇気を出して言うんだ。

「あのね、用ってわけじゃないんだ。そうじゃなくて…」

「まどろっこしぃな!ハッキリ言ったらどうだ?」

「あ…アバッキオは…私のどこが好き!?」

「…ああ?」

彼のもともとよっていた眉間がより狭まる。

「俺がいつ、お前のこと好きだって言ったんだよ…」

「い、言ってないけど!!ちょっと頑張って答えてみてもらってもいい?」

「頑張って答えなきゃならねーって自分で言うの虚しくねぇか?」

「虚しいけどお願い〜」

そうお願いすると、アバッキオはため息をついた後。

「まぁ…あれだな。お前のどこが好きか?って言われたら、人一倍色々と動き回ってなんとかしようとしてるとこだな」

「え…」

まさかアバッキオから、そんなキュンとする言葉が出てくるなんて思わなくて驚く。

「人一倍、問題も起こしているがな…」

「ううう。ありがとう」

私はアバッキオの部屋から出ようとすると、
アバッキオは声をかけた。

「…なぁ、何故俺にこんな質問したんだ?」

「え…。えっとアバッキオだけ聞かないと悪いかなぁって」

私がそう言うと、怒ったように私のところまで来ると

「他のヤローに聞いてんじゃねぇよ!」

といい、私を部屋から追い出した。

◆相手:フーゴ

「ノックをしてから入ってください」

僕は本を読むのを中断し、部屋に入ってきた人物を確認する。あぁ、名無しさんですか。

「ごめんね。あと、フーゴひとつくだらない質問してもいい?」

「くだらないなら質問しないで下さい」

「そう、言わずに…」

「まぁ、いいですよ。なにを聞きたいんですか?」

僕のところにわざわざ尋ねにきたと言う事は、
何か難しい問題に直面しているのかもしれない。
そう身構えていると…

「フーゴって、私のどこが好き?」

「…え?」

あまりにも予想外な質問に驚いて本を落とす。

待って下さい。

一体誰からそんな情報が回ったと言うのだろう。

「一体、誰に聞いたんですか?」

「え、ちょっと…私の質問…」

「誰に僕が名無しさんの事を好きって…聞いたんですか?」

僕が勢いよく詰め寄ると、
彼女は…目を泳がした後に…
ボソッと言う。

「…、…アバッキオ…」

「ハァ〜。いいですか?まず、簡単に人の情報に踊されないで下さい。あと…あなたの質問に答えてませんでしたね?」

僕は彼女を手で呼ぶ。
彼女が僕の元まで来ると…

「いいですか?一度だけ小声でしか言いませんよ?」

すると彼女は僕の方に耳を近づける。
その耳に向かって僕は…

フッと息を吹きかけた。

「ちょ、ちょっと!フーゴ!!!」

「フッ…そんな簡単に引っかかっちゃうお馬鹿さんなとこですよ。僕が好きなところは」


◆相手:ナランチャ

「ねーナランチャ。私のどこが好き?」

私は彼と買い出しをしている途中で、
ふと聞いてみる。
運転している彼は普段のあどけなさとは別で
しっかりとした印象を受ける。

「名無しさんのどこが好きって、いっぱいあるぜ」

アクセルを踏みながら、彼はさらっと言う。

「ええ、いっぱい?」

「まず、俺に勉強を優しく教えてくれるとこだろ…あと、美味い飯をつくってくれるとこだろ…あとあと」

「ちょっと待って、それって全部他のみんなも同じように言える事だよね!」

「ん?そんな事ねーぜ、俺にあんなに丁寧に教えてくれるの名無しさんくらいだぜ?」

「違う違う。そう言う事じゃなくて、その…恋愛的な意味で…」

私の言葉に車が大きく揺れる。

「おい、びっくりさせるんじゃねーよな。恋愛的な意味か。んーどうなんだろう、俺よくわかんねぇけどさ。」

「そ、そうだよね。いきなり言われても困るよね」

彼は落ち着いた運転に戻る。

「あー。名無しさんのどこが好きかって考えてみたけど、俺は別に『どこが』ってのはないなー。ただ、名無しさんを見てると絶対に守りたいって思うんだ。」

赤信号で止まっている最中、
まっすぐに私を見る目は光り輝いていた。


◆相手:ジョルノ


ジョルノがちょうど資料に目を通している時に、さりげなく声をかけてみる。

「ジョルノ…無駄とは言わずに答えて欲しいんだけど」

「なんですか?最初から決めつけないで下さい」

そう言う彼は一瞬顔をしかめたが、
資料から私の方を見つめる。

「じゃあ、普通に聞くね。ジョルノ…私のどこが好き?」

私の馬鹿な質問に彼は答えてくれるのだろうか…。
彼は、

「あぁ、だから最初に前置きをつけたんですね。名無しさんはどうしてこの質問を?」

質問に質問で返されてしまう。

「私が何故こんな質問したか言ったら答えてくれる?」

「ええ。いいですよ」

私は正直に白状する。
雑誌にあった謳い文句を実践している話をしてみると。
ふーんと言ったような表情でジョルノは聞いていた。

「名無しさん…仮に、僕たちの中で名無しさんの事を好きな人間がいて、この機会に告白したとしたら貴女はどうするつもりなんですか?」

「どう…するつもりも…でも、どうしよう…」

「けしかける質問をするのに、その先を考えていないだなんて、ダメじゃないですか。」

うー!ジョルノには勝てないッー!

「約束でしたね。ぼくが貴女の中のどこを好きかというと…。真っ直ぐな所ですかね?貴女に悪女みたいなセリフは似合いませんよ。」


◆相手:ブチャラティ

私はそっとその扉を開けてる。
ブチャラティは資料を見ながらカッフェを飲んでいる。

「名無しさん…。資料を持ってきてくれたんだな。ありがとう」

持ってきた資料を渡すついでに
ブチャラティにさらっときく。

「ねぇ、ブチャラティ…私のどこが好き?」

私の言葉にカッフェをこぼすブチャラティ。
若干むせながら、

「一体、どうしてそんなことを聞いて来るんだ?」

「気にしないで」

私がそう言うと、神妙な顔つきになった後
顎に手を当て考え始める。

「えっと…そうだな…。名無しさんのどこが好きかっていう問いだったよな」

そこまで真剣に考えられると
逆に申し訳ない!!
なんか、とても申し訳ない!

「名無しさん…の好きなところは色々あるが…。いや色々あるはずなんだが…」

あ、これ出てこないやつ。

「どこを好きかって言うのは考えた事はなかったな。
 人を好きになるってのは理屈じゃないはずだからな」

「え、ええ」

「ところで…名無しさん。名無しさんは俺のどういう所が好きなんだ?」

逆に聞き返すとは、流石ブチャラティ。
私も考えてみる。
ブチャラティさんの優しいところや
リーダーとして頼れるところとか。
いっぱいある。

「そんな事、いっぱいあって言えないです!」

「俺もそれと一緒だ。全てって言ったら嘘っぽくなっちまうが…。
 いっぱいある。しかし、名無しさん。君が自分の魅力を不安に思って
 聞いているなら、そんな心配はしなくても大丈夫だとだけ言っておくよ」

「…ッ!」

「十分君は魅力的だ」

そう言って大人の余裕で
ブチャラティさんは私に柔らかくはにかむのだ。



《Perché ti piaccio?ー私のどこが好き?》
…end
2019/04/27

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