ロー長編連載夢

□22シャボンディ諸島にて10
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…………

……



「俺に黙って…隠し事か?」

船長に言われた言葉に…
私は何も言えずに
目も合わせられない状態だった。

船長は…一体どこまで知っているのか
どこまで話を聞いていたのか
分からなかった。

「立て」

船長の命令に素直に従った。

ペンギンさんが船長に…

「いつから…ここに…?」

と質問を投げかけたものの
聞こえなかったのか。

船長はペンギンさんの方を見向きもしない。

そのまま私の腕を掴み
部屋の外へと連れ出される。

今の船長は…
今まで見て来た中で一番怖い顔をしていた。

船長が私の腕を引っぱっていく時も…
何も言えず、考える事しか出来なかった。

引っぱられる腕が痛むも…
私はそれだけの事をしている。

あれだけ船長が怒っているという事は…
おそらく、薬の事を知られちゃったに違いない。

良くしてくれる仲間や
船長を裏切る行為をしているのを知ったから…。

ごめんなさい船長。

ごめんなさい…みんな…。

もう、私は船には居られなくなってしまうだろうな…。
それでも私は…みんなを裏切っても…
この船に居たかった…。

船長室のベッドに放り投げられ
そのまま部屋にカチャリと鍵をかける船長。

ペンギンさんが、必死に船長室の扉を叩いてくれたけど…。船長はそれに応えない。

私を見据え一言船長は冷たく言い放つ。

「おい…ラミア。何か言う事はねェのか?」

何を言えばいいのだろう。
言いたい事は山ほどあったけれど…

それでも私が真っ先に言える言葉は…


「ッ…船長…。ごめんなさいっ…」

謝罪だった。



言葉と同時に船長に押し倒される。
両腕を一つに束ねられてしまい、
気がつけば、船長は…

服を脱がしにかかっていた。

「船長…やだ…っ、やめて…」

抵抗の言葉を言っても船長は脱がす手を止めない。

なぜ、今、こうして船長が私を脱がしているのか
分からなかった。


「ペンギンじゃねェから…俺にされるのは…嫌って事か?」

船長の言葉で…ようやく…自分がこれから襲われるんだと自覚した。そして…ペンギンさんと私が付き合っているという誤解を何故かされていた。

「違いますッ…船長…ペンギンさんとは…何も」

必死に声をあげても…船長は…。

「よく言うぜ…。目の前で抱き合ってた奴が…」

と言う。

船長が怖い。

殺されるとかそういう恐怖じゃなくて…。
私が知っている船長がいないような…
そんな恐怖。

「あれは…たまたまッ」

「…あッ!」

もう私は気がつけば下着姿になっていて…
それで、しかも下着まで簡単に奪われてしまった。

船長は獰猛な獣のように
私の胸にかぶりつく。

怖い。

船長…なんで…。

「船長…やめてっ…」

私が抵抗の意志をいくら言っても
船長はやめてくれない。
腕を抵抗しようにもくくられて
抵抗出来ない。

エスカレートする船長。

「あっ、やだ、船長…」

好きな人と…
こんな形でこんな事になるなんて…。

確かに女として船長に意識して
貰いたかったけれど…。

こんなの

やだ。

されるがままの状態…。
そんな中で脳裏によぎった船長の言葉。

”別に…楽しんでたって訳じゃねェ…。処理にすぎねェ…。”

船長にとっては…
この行為は”処理”

そんなの絶対に嫌だ。

私はやっとの思いで
声に出した。

「船長…、私も娼婦と…一緒なん…ですか?」



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