ブチャラティ 長編夢

□5.Portale II
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ポルポ :side





俺はボトルを開け
グラスに濃厚なワインを注いだ。
ここに乾杯しあえる者がいないのは、
少し寂しいことではあるが…
そんな些細な問題は安全という面と比較した時
遙かにどうでもいいものであった。

ありとあらゆる情報はこの牢獄に居ようが、
すぐに入ってくる。
俺はこのパッショーネの幹部として、他の幹部よりは
ボスの信頼が厚いと自負できた。
財産においては、自分で確保しておかねば組織に搾り取られてしまうだろう。そこはこっそりとやらねばなるまいが…。

ブフフフ…。

格段何も問題ないかと思えた。
そんな矢先に、
ブチャラティが過去の事件のデータを漁っている事を
組織のデータベース履歴から知る。

その事件の中には、
あいつが心の底から毛嫌いする『麻薬』関係の者のデータが
複数含まれていた。

ここに入団する時もそうだった。
麻薬≠心の底から憎み、それを壊滅させる事が
奴の真の目的のようだった。
まぁ、重体の父親を組織が守った事でそれなりに
忠誠心は高い部下には育ったが…

カリスマ性を持ち、信頼に値する
利用価値が高い男だが、
その部分は非常に心配な要素であった。

データを漁っていると知り、
てっきり彼がこのパッショーネの裏で行われている取引に
気づいたのかと思った。

グフフフ
まさか、自分の組織も手を出しているとは思うまい。

そう言う私は残念ながら麻薬≠ノ手を出す事をボスから
許されてはいないのだがな…。
ボスからの命令であれば、止むを得ない。
それがいくらでも利益を生む代物でもだ。


裏切りを 心配して損をしたな。


チームを作るとは大いに結構だ。
あの器だったら、いい人材を集めてこれるだろう。

次、入団試験を受けるものは
期待ができそうだ。

組織の為に、骨の髄まで利用させて貰うぞ
グフフフ。






ソフィア:side




上司とソリが合わないままでも、
その日の仕事をなんとか終わらせ、
家に帰る。

どっと疲れが溜まった。

レットに寝転び、天井を見上げれば
嫌な上司の顔が貼り付いたように思い出され、
追い払おうと頭を横に振る。

あぁ、嫌な夢をみそう。


実際に、それは現実になった。




2019/03/09

フーゴとブチャラティの出会い方を恥パではなく、アニオリの方に合わせました。
しかし、今後恥パの情報を組み込んだ表現などもしたいと思っておりますので一部ミックスをご了承頂きたい。



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