ロー長編連載夢

□16シャボンディ諸島にて04
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私とベポとペンギンさんの三人で
甲板でお酒を飲み交わす。
私だけはお酒じゃないけれども…。
そんな事を構わず一緒に乾杯をしてくれる二人。

割と目が冴えて眠気が飛んだという二人が、
酒を飲みながら、トランプをしようと誘ってくれた。

もしかしたら…、嫌な事を忘れさせようと
気を遣ってくれたのかも知れない。

カツン コツン 

ちょうど私がペンギンさんから、
1枚カードを引こうとしている時に、
すぐ傍で聞こえる足音にビクリとする。

誰だろう…。
敵襲とかじゃないよね…。
そんな不安がよぎった時、

不意に現れたのは…
黄色いパーカーにファー帽子…長い太刀をもった
隈のある、よく見慣れた男の人…。

それは間違いなく…

船長で…。

え、でも、船長がどうしてここに??

驚きを隠せない。


私は口をぽかんと開けたまま、
疑問を口にした。

「船長!あれ?どうして船長が船に?」

船長は私達の方に近づき一言放つ。

「ここは俺の船だ。船長の俺が船に戻ってこようが、別におかしくねェだろ…。それより…こんな夜遅くに店を抜けて船に戻るとは関心しねェな…。」

そう言って、座っている私を見下げる船長。
船長の言葉より、まず先に気になってしまったのが…。

戻ってきた船長から漂う
甘ったるい香水の香り。

店に漂っていた匂いは混じりあっていたけれど、
この匂いは…ある一点にしぼられている。

その香りが女性との関係があった事を匂わせた。

吸血鬼の血と向き合うと言ったものの…、
やはり不便だった。
こんなに強く香りを感じなければ…
心に閉まっておけたのに、現実を直視させる嗅覚。

「おいラミア、聞いているのか?」

「え、…は、はい」

匂いに気をとられて、言葉が遅れた。
すると…船長の眉間がぎゅっと寄せられる。

「ペンギンと一緒だったとはいえ緩みすぎだ。こんな夜中に外をうろついて、もし人攫いにでも捕まったらどうする気だったんだ。自分の立場を自覚しろ。」

「確かに店から飛び出したのは、クルーとして勝手な行動でした。ごめんなさい。」

そうは言ってみるものの、
内心は飛び出して良かったと思っている。

「そもそも、なぜ店を出たんだ?…店のバーテンダーと、ずいぶん楽しそうに話していたじゃねェか…。」

船長には…
楽しそうにしているように
見えたのかも知れない。

本当は一刻も早く店を出たかったのだけど…。
それが船長に伝わらなかったという事は…
表面上で上手く立ち振る舞えていたのかもしれない。

″船長にバレてなくて良かった…″と思うはずだった。
そう思うはずだと推察してみたら…

こうして船長に言われると
案外ショックだった。

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