ロー長編連載夢

□05潜水艦生活その1
1ページ/5ページ


暗い暗い潜水艦の中は…

とても居心地がよかった。

″あの男″も襲ってこない。

日光に直接晒されるわけじゃない。

そんな安心感に満ちあふれていた。

そして…何より…

クルーの人が私が半分吸血鬼だというのに
受け入れてくれた事が何よりも嬉しくて

家族ができたみないな心境だった。




一番はじめは、半分吸血鬼ということで
みんなは私にどう接していいか分からず固まっていたけど…
それよりも船長の一言

「こいつは俺の実験体だ…。文句はいわせねぇ」

この言葉で、何かを察したクルー達は
私に同情の目を向けるようになった。

クルーのみんなは、私を見かけては声をかけ、
手助けしてくれた。



なんか…いいな。


私の家族はだいぶ前に
疫病で命を落としてしまったけど…

私はいま、とても幸せだった。

お母さんやお父さんにも胸をはって言える。


新しい家族にかこまれて
私は今最高に、幸せです。



私はクルーみんなとお揃いの白いつなぎに、帽子をかぶりながら、食事の席を探す。

今回は血液なしの、人としての食事…
こんなアットホームな雰囲気で食べれるのも久しぶりで…私は、嬉しさで自然と自分の口元がゆるむ。


「おいラミア、こっちの席空いてるから座れ!」

そうシャチさんが手招きされ、シャチさんの隣に腰を下ろした。

「また、シャチがラミアに手を出そうとしてる!」

気がつくとベポさんが、シャチさんの前に座り…

「すまないな…女に飢えたクルーが隣で…」

そして、私の目の前にペンギンさんが座る。
ペンギンさんにくってかかるように、シャチさんが非難の声をあげる。

「俺は…べ、別に、手を出そうとしてたわけじゃ…」

「動揺してるあたりが…ますます怪しいぞ」

「それに、飢えてんのは、俺だけじゃねぇよ!!」

「まぁ…確かにラミアを意識してドキマギしてる奴はいるな…。ラミア気をつけろ?こうゆう奴が他にもいるからな。」

ペンギンさんがシャチさんの方を親指でくいっとさす。

「あぁ?俺は普通に頼れるお兄さんポジションになりたいだけだからな!!」

「あぁ、ラミアがメスの熊だったらよかったのに…」

「「二足歩行のメスの熊そうそういねぇだろ!!」」

「すいません…」


こうしたやりとりに笑うと、
ペンギンさんも、シャチさんも、ベポさんも
みんな笑い返してくれる。


「???」


おかしな状況である。

なんか、女の子の扱いをされていることに
私は不思議でならなかった。

あれ?

怖がられていない?


多少、私に対して距離を置くはずなのに…


なんだろう。

この距離感がゼロな感じ!!


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ