ロー長編連載夢

□04医者と実験体
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カランッ

コツン

ラミアは
空のグラスを置いて、口の回りをハンカチで拭き取った。

ペンギンとシャチは、心配そうにラミアが食事をするところを眺めていた。その二人の額には戸惑いと冷や汗が浮かんでいる。

実際に、こうして平然と…いや、むしろ嬉し涙を浮かべながら血を飲む姿のラミアの姿は異様だったに違いない。
その異様さはラミア自身十分承知であったが、飢えていた彼女にとって、人目を気にしている余裕などなかった。

拘束がとかれ
ラミアが放った第一声がグラスの要求であった
それが彼女のせめてもの理性であった。

………
………

久しぶりに飲んだ人の血の味に、嬉しさなのか、悲しさなのか複雑な感情が入り交じり、泣きそうになる。

人の血を飲むのは、生きる為に仕方がないとはいえ、こうして、人前で飲むと嫌でも私が普通ではない人間ではないと実感させられて嫌だった。

それでも…飢えには勝てなくて

結局グラス一杯まるまる飲み干してしまった。
目にくっきりと隈がある鋭い視線は、始終こちらに向けられていた。

私を実験体にすると宣言していただけあって、先程から視線がチクリチクリとささる。

気になって、ちらっと船長の方をみると…
案の定…目が合う。


監視されている!!!

一番始めのような恐怖心ほどには感じなかったけど…
それでも…ちょっぴり怖い。

私が怯えながら目をそぉっと逸らしてみる。

逸らしたのに…こちらに感じる視線。

気のせいかな?
さすがに…

見過ぎ…じゃないかな?

実験体と言っても

さすがに…ずっと監視してる訳じゃないはず…

だから、気のせいに決まっている。

きっと、船長から滲み出る
威圧した空気を感じた結果なのだろう。


再度、視線の先を目で追ってみると…

ギロリとした隈のある目線との遭遇。


あ!!

まだこちらを見ている。


睨んではいる訳じゃないんだろうけど…

こ、こわい。

これだけ視線を投げ掛け何も言わない船長。


これは、気まずい。


私は視線に慌てふためきながら目線を下げた。





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