マルコ長編連載夢2

□12セレ・ブリッジ島〜脱出〜
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一斉に屋敷に飛び出した幻獣達。

もう、それはそれはパニックになった。

メイド達は悲鳴をあげるわ、
ものは壊れるやらで・・・



「このガラスは強化ガラスになってるから、無理・・・」


ペガサスが大きな窓に向かって突撃しようとしていたので
ナディアさんがそう言っていると、



パリィいいん!!


細かいガラスがキラキラと輝いて

窓がいとも簡単に砕け散った。



それに驚いていると


ヒヒーンと鼻で笑う。


「ねぇ、シャミアなんて言ってるの?」


「えっと、俺の角には不可能なんてねぇ、さぁここから逃げ出しちまえって言ってる」


「じゃあお言葉通り、とっととずらかるわよ」


「はい!」


私が不死鳥姿のマルコに


「早く、いこ、いこ」

っとせかすと、ぽろりと口から漏れた。



「この幻獣達が外の世に出りゃあ、隠してたあのグレンって男は困るだろうよい。だけど、そんな事したら
逃げ切れなかったこの生き物は殺されちまうんじゃねーか?」


私はペガサスさんに寄り添い体を撫でながら、


「それの可能性は私も考えて、作戦を話す時に聞いたらね。『俺たちはここを抜け出す気はねぇし、殺される心配もない』って答えが返ってきたんだぁ・・・」


私の言葉にマルコは大層驚いた顔をしていた。

そして、地下であった事を話した。



・・・・・・


・・・・


それは、マルコが来る前に遡る。




「あの・・・逃げ出せずに捕まったらとんでもない事になるんです。きっとあのグレンって男に殺されてしまうかも知れないので無茶な話だとは分かってます」


私が言いにくそうに切り出すと、


ギュァアアア(俺たちはここから逃げる気なんてねぇ。けどなぁ、あんたを助けてやる)


「え?逃げる気がないって・・・こんな檻の中は苦しくないですか?」


驚き声をあげると。

チョケチョケ(まぁ、何ていうのかしら。ここにいる仲間達と愛着がわいちゃってね。今更逃げ出して生活しようとは思わないのね。ここを死に場所にしてもいいなって思ってるの)

トロアアア(アイツはなんだかんだで俺たちがどんな事をしでかしても俺たちを殺せないさ)



「え?」


ヒヒーーン(あの我が儘坊ちゃんにとって、俺たちはなんだかんだ言って親が残してくれた唯一の宝みてぇーなもんだ。だから、今まで俺たちになんかした事はねぇし、なんだかんだ言って、よくここに来ては泣いてたんだぜ)


あの、グレンさんが泣く!?

ギュァアアア(そうそう、ウケるだろ?あいつ結構本当は泣き虫だからな。化け物とか言うくせに、ちゃっかり面倒は見てるんだ。とにかく、俺たちの身の安全は保障されてる。問題はあんた達だ。今回はお痛がすぎてるようだからなァ、逃がさない気でいるみてぇだな)


チョケチョケ(まぁ今回騒動が起きれば、ちょっとは何か変わるかも知れないわね。昔みたいに、良い人になればいいんだけど)


とても、とても、信じられなかった。


でも、檻の中にいてもいいと思えるくらいの人だから、


私が思っているくらい冷酷な人間じゃなかったみたい・・・




トロアアア(まぁ、今でもそこまで落ちてはいねぇぞ。俺たちの存在が広まったら、俺たちを手に入れてバラバラにしたいっていう貴族が山ほどいる。そんな中守ってくれてるしな。まぁ、下手にここを出るよりは安全に仲間とともに暮らすさ)


ヒヒーン(そうゆうわけで、此処からは離れようと思わないが、俺たちは協力するぜ!)


こうして、今回の作戦を話したのだった。





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