マルコ長編連載夢2

□07セレ・ブリッジ島〜交錯〜
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んん。


眩しい。



私は眩しい光を感じ、朝なのだと認識した。

しかし、朝なのに、

なんで、こんなにも静かなんだろう。

眩しくて景色がよく見えないや。


だけど、そのうち

目がだんだん慣れてきて・・・

周りの景色が私の目に飛び込んだ。



ここは・・・





気がつけば、

私は

大きなベットの上にいた。


明らかに船の見慣れた部屋ではない。


大きな窓とそれに釣り合う広くて豪勢な部屋。

絵画が複数飾ってあり、

部屋の家具はきちんと整えられ、生活感の欠片も無い。

船の中に時々置きっぱなしになっている空になったワイン瓶や皿や誰かの本。

そんなものは何一つ無い。

ただ、静寂が支配する部屋。

私にとって、此処は・・・

今までの見知っていた場所とは全く正反対だった。

どこか

繊細な印象をうけるこの部屋に

独りっきりなのだとようやく気がつく。





「ま、マルコ」


私はすぐに不安にかられ

名前を呼んでみる。


返答は無し。


今度はさっきより大きな声で呼んでみる。



「マルコッ!!」


相変わらず、自分の声が木霊するだけで


返答は無し。




どうやら、マルコは近くにいないみたい。


マルコ


マルコがいない。



それだけで、私は泣きたくなってきた。


私を置いて


どこいっちゃったの・・・


それに

ここはどこ?




自分の記憶を思い出してみる。



確か・・・



私はマルコと一緒にご飯を食べてたんだよね。


それで、お酒を飲んでて寝ちゃったんだっけ?


よく思い出せない。





とにかく、


思い出せない事を考えても仕方が無い。




船に戻らなきゃ。




そう思い、ベッドから抜け出し、静かに部屋の扉を開けてみる。



すると、突然

すっと透き通った声が聞こえた。



「シャミアさん、早い起床だね」




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