マルコ長編連載夢2
□04セレ・ブリッジ島〜喜劇〜
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黒のスーツ
シルクハットを被り
手には杖を持ったマルコは
紳士っぽくて、
いつもと違う雰囲気の彼に
どきどきする。
私たちが今いるのは
オペラ座の前。
本来、海賊や、下級の貴族が入る事を許されていない、
上級貴族や王族だけが楽しめるオペラに
私たちがこうしていけるのは
カルピスさんのおかげ。
マルコが受付をしている鼻ヒゲの男に招待状を差し出すと、その男は少し不思議そうな顔で私とマルコを見た後。
「見慣れない顔ですね。失礼ですが、お聞きしたいレナウド・ラ・カルポス様とはどのような間柄で?」
と尋ねてきた。
ばれるかもっ、
私は不安そうにマルコをちらりと見ると、
マルコはいたって平然そうな顔で、
「あぁ、我が輩はレナウド・ラ・ノエルと言う。カルポスとは遠い親戚だよぃ。久々に招待され、オペラを私の代わりに見に行く様に言ってくれた。隣にいるのが・・・妻のマリアだぃ」
マルコに言われ
私はスカートの両裾を持ちながらぺこりとお辞儀をする。
「大変失礼しました!あの遠方でご活躍なさっていると言うノエル様ですね。よくぞいらっしゃいました。お席の方は二階に上がっていただいて、Bー2でございます」
こうして、私たちはオペラ座に入る事に成功した。
「マルコ上手くいったね」
広い階段をマルコに手を預けながら上る。
「我が輩がミスをおかすわけないだろぃ?マ・リ・ア」
あっ、
そうだった。
今はシャミアじゃなくて、マリアだった。
「本当にノエルは頼れるわ」
ってお嬢様っぽく笑い二階に上がった。
「それにしても、ノエルが我が輩って・・・」
肩をふるわして、笑いをこらえていると、
マルコが顔を真っ赤にさせながら
「仕方なかったんだぃ!」
というので、なんだか可愛いと思ぅ。
Bー2 Bー2
どこだろぅ。
「ノエル様マリア様よくぞ、お越し下さいました」
そう言って、カーテンを開ける
使用人?の男の人
カーテンをくぐると、一望できる場所で大きなシャンデリアやら、スポットライトを浴びている舞台が目に入ってきた。
いつもだったら、大きな声ですごぉーいって言ってしまいそうなんだけど、
周りの静寂がそうさせてくれなくて、
声で出せない分、目でいっぱい楽しむ事にした。
「こっちに座れよぃ」
「うん」
私たちはオペラがはじまるのを静かに待った。
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