白ひげ短編夢

□don’t cry
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切夢は死ネタを含みます。
苦手な方は戻って下さい。

















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「サッチのばかぁ、えっぐ、どうして、どうしてなのよッ、約束した″のに″」


俺の目の前で泣き崩れる良い女。

こいつは


名無しさん



で、俺の最愛の女だ。





俺の血の跡を見て、ひたすら泣き続ける名無しさん
に胸が苦しくなった。


俺の前で泣いたりなんか今までしなかった。

こいつは、どんなつらい時でも笑顔を作るやつだった。


そのお前が



まさか、



こんなにも声をあげて泣くなんて信じられなかった。



「ひっく、約束どうしてくれるのよ″、うぅ」




あぁ、約束したよな。

お前と確かに約束したんだ。




俺がお前を幸せにするって・・・



確かにそう、約束したんだ。




「サッチぃいい、うぅ″、ぐすんッどこにもいかないでよぉお、サッチがいなきゃ、私ッ」


名無しさん・・・



俺は優しく、いつもみたいに抱きしめようと手を伸ばしたが、すり抜けて、届かない。



俺は、どこにもいかねぇのに


お前の傍からずっと離れねぇのに



お前にこの声は届かねぇ・・・




「名無しさん、俺だってつれぇよい。けどな、あいつの為にも泣くんじゃねぇよい」


あぁ、マルコ、良い事言ってくれるじゃねーか。


お前の泣き顔はこれ以上見たくねぇんだ。



俺がみてぇーのは、お前の笑顔なんだよ。




「マルコ、そんなの分かってる″、ひっぐ、きっとサッチが見たら、泣くなってい″ってくれると思うよッ!!でも、でも、涙が止まらないの・・・、それにマルコだって・・・」



「ばかやろぃ、これ以上は言うんじゃねーよぃ」


おい、マルコ!


お前まで泣いてどうするんだよッ


あー俺最悪の男になっちまうなぁ


愛する女を泣かせて、

絶対泣きそうにねぇ仲間を泣かせて



でもな・・・


泣く必要なんてないんだぜ!





俺は、ここに


いるだろ!!!



確かにもうお前達に触る事もできねぇし、

名無しさんを抱きしめもできねぇ。


ましてや、声だって届かない



けどな、俺はこうして、まだ成仏できずにこの船にいるんだよ。




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