白ひげ短編夢

□お前には絶対言えねェよい
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「おい、嘘だろ?勘弁してくれ。もうしねぇから見逃してくれ」


「うるせェよい。お前は取り返しのつかねぇ事をしたんだ」


俺は命乞いした哀れな男にそう吐き捨て

この男の首に当てていた手に力を込めた。




ぐきっ


「ぎゃぁああああ」






ああ、本当にうるせぇ。



断末魔の叫び声が耳障りで仕方が無かった。


俺が手を離すと

男の体はドスンと床に落ちた。







「船長は死んだんだ。もう気がすんだだろ?俺たちはどうか見逃してくれ。金なら払う」



こいつら何なんだ?


てめぇの船長が死んだっていうのに


怒る気もねぇのかぃ




結局


自分の身が一番ってことかよぃ





この下衆共が



「金払って、俺の仲間が生き返るわけじゃねぇんだ。お前らも同罪だよぃ」




俺は残酷に笑ったあと
掴み掛かる。



「ひぃいいい」





あぁ、早く帰りてぇな




「や、やめろぅわああ」




早く帰りてぇ
名無しさんの元によい




「なんて残忍なやつだ」




残忍って言われても



何とも思わねぇよい。




本当の事だから仕方ねぇ





「ぎゃぁあああ」


「や、待てうわぁああ」


「こいつ、化けもんだ」







化けもんか・・・


ったく殺される奴は同じ事しか言わねェ



あぁ・・・



汚れちまったな


こんな格好じゃあいつに逢えねぇじゃねぇかよい







俺はしんと静まり返った敵船の中から適当に着れそうな服を探し盗みとった。





匂いは落ちねぇ・・・か







ざぁあああ

勝手にシャワーを借りて匂いや血を落とす。




そして、用が済むと船に油を撒いて



火を灯した。






ぼぉおおお




燃え盛る炎と吐き気がするような死臭




全てを炭に返して無かった事にする。







白ヒゲ海賊団
1番隊の部下を殺したトロリアル海賊団壊滅

任務は完了した




俺は不死鳥の姿になり、船から離れた。



あぁ、早く帰るか



いち早くあいつの顔が見たかった



あいつの顔が・・・








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