白ひげ短編夢
□恋と変はよく似ている
1ページ/2ページ
「なんでお前ェは俺みたいなおっさんを好きになっちまったんだァ?」
マルコは新聞に目を落としながらポツンと呟いた。
その声は平淡で
そこから感情を読み取る事は出来なかった。
なんで突然そんなこと聞くんだろう?
ぺら
マルコはページをめくり次の記事に目を走らせていた。
とにかく答えなきゃ
「別に歳とか関係ないし、何でって・・・気づいたら好きになってたんだもん」
私は熱いコーヒーをすすりながら、マルコの様子をうかがった。
私の言葉にしばらく 何か考えていた様子のマルコは
一度新聞を閉じて、私の瞳を探るように見てくる。
「この船にァ俺よかカッコイイやつらはごまんといるだろぃ?そん中でなんで俺を好きになったのか分からねぇから聞いてみたんだよい」
その言葉に思わず飲みかけのコーヒーをこぼしかける。
「マルコは気づいてないみたいだけど、マルコはこの船にいる誰よりも一番カッコいいよ!かっこいいだけじゃなくて頼れるし、優しいし、強いし・・・」
そう熱烈に言うと、マルコは苦笑しながら
私と同じくコーヒーを飲む。
「名無しさん・・・俺ァ目を疑っちまう。全く変なやつだよぃ」
なんて言うから
「そんなの、マルコだって変じゃん!私に可愛いとか言うし///第一、何で私の事好きになってくれたの?」
そうムキになって言ってみたりする。
マルコは
飲み終え空になったコーヒカップをカタンと机に置く。
空になったコーヒーカップからはコーヒーの匂いが
かすかに残っていた。
.