マルコ長編連載夢

□33想いは波紋を残す
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ルシアナが所謂
大人の事情を話したその夜


シャミアは俺の部屋に尋ねて来た。



「知ってどう思ったんだぃ?」

「えっと・・・驚いたし、まだ理解できない事はいっぱいあるし・・・」

シャミアは俺の隣でぽつんと呟いた。

緊張しているのか

意識しているのか

分からねぇけど、とにかく震えていた。

あぁ、俺なんかが触っちまったら脆くて壊れちまいそうだ。


「ま、マルコが我慢してるんじゃないかってルシアナさん言ってた」


そう上目遣いで見てくるシャミアに
俺の体が熱を持ちそうになる。


「我慢か・・・まぁしてねェって言ったら嘘になるよい」


「そっかぁー。私知らなかった、我慢させてたなんて」


「でも、俺は無理矢理なんてしねぇよい。お前を怖がらせたくねぇからよぃ」


「あ、ありがとう」


あぁ、愛しいよぃ。

別に焦ってお前をどうにかしようと思ってるわけじゃねぇ。

お前を抱きたくなるのは男の性分で仕方がねぇけどよい

お前を泣かせて傷つけちまうんじゃないかって心配になる。


だから、


お前がその気になってからでいいんだよぃ。





「マルコ・・・その、抱くとかじゃない方で一緒に寝ても良い?」


「いいよぃ。こっちにこい」


そして、俺はシャミアを引き寄せる。


「マルコ、あったかいー」

「そうかぃ」


布団の中で俺に抱きつくシャミアの頭をよしよしと撫でる。


服越しからでも充分体温を感じる。



欲情しそうになるのを必死に理性で押さえこむ。


生殺しってやつか?




「緊張して寝れないかも・・・」


同感だよぃ


「羊でも数えてたらどうだぃ?頭の中で想像しながら数えると寝れるって話を聞いた事があるよぃ」


「じゃあ数える///羊さんが1ぴき、羊さんが2ひき、羊さんが3ひき」


俺はたんたんと数えるシャミアを優しく見守る。


「羊さんが30・・・羊さんが・・・」



そういいながら



やがて



スー スー と寝ちまった。




俺も寝れるか心配になってきたよい。

羊でも数えるか?



いや、やめておこう。


良い年したおっさんが羊数えても気持ち悪いだけだぃ。



シャミアの寝顔を覗き込みながら


あぁ、羊みてぇだな。いや、ネコか?


なんて思う。



俺はシャミアの唇にそっと自分の唇を重ね。



ちゅ




「おやすみシャミア」


と言って抱きしめながら、そのまま寝る事にした。





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