マルコ長編連載夢
□31想いは交差する
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キョロロロ(シャミア起きてっ!ねぇってば)
「うー、んんー」
キョロロロ(こらぁー起きろぉーー!)
「ん?リリアン?」
キョロロ(ようやく、起きたわね)
私がぱっと目を開けると・・・
目の前のリリアンが私のお腹の上に乗って
ぴょんぴょん跳ねていた。
「どうしたの?」
キョロロロ(なんか、ナディアって子が部屋に来てたわよ?何か用があるみたいね。ほら、置き手紙残してったわ)
そういってリリアンは机のとこまで飛んでいき
紙を啄み戻って来た。
キョロロロ(えっと、『ねてるとこ、おしゃましてまる。はなしがあうので、しくでぃでまってます』って書いてあるわよね?)
「リリアン違うわ。寝てる所お邪魔してます。話がありますので食堂で待ってます。って書いてあるわ」
キョロロロ(これでも、前よりは上達したでしょ?)
私が島に居た時
リリアンに少し文字を教えていた。
リリアンはだいぶ読めるようになっていたから驚いた。
「うん!すごいわリリアン!」
でも、その驚きよりも気になったのが
「あと、話があるってなんだろう・・・」
胸がぎゅっと締め付けられる気がした。
思い出す昨日のナディアさんの言葉。
「私、諦めません。もともと恋人同士だったシャミアさんには悪いと思います。でも、諦めきれないんです。ごめんなさい。それでも、まだ好きでいさせてください」
どうしよう。
話があるってなんなんだろう。
もしかして、マルコと恋人だなんて許さないって
言われたりしないだろうか?
それとも、あなたみたいな人がマルコにつりあうわけないじゃない!私の方がずっと綺麗なんだから!
って言われるのかも知れない。
どちらにしたって、私はどう切り返せば分からない。
だって、ナディアさんは本当に綺麗だし、私自身、昨日マルコとお似合いだって思っちゃったわけだし・・・
私の方がマルコを好きなんだからっ
たぶん、これはお互いに思ってて譲れない事。
だから、そんな事言い返しても何の解決にもならない。
だからこそ、私は何を言えばいいんだろう。
昨日マルコの部屋にいく前は不安で仕方が無かった。
だけど、昨日マルコに抱きしめられたし、マルコは私に愛を囁いてくれた。
だから、マルコがナディアさんの方にいってしまうっていう恐怖は消えていた。
あと、残る問題は
ナディアさんも仲間になったから家族の一員。
だから、ずっと船にいるわけで・・・
そのマルコを愛してるナディアさんの前で
私は
マルコとずっと一緒に居たり
手をつないだり
キスをしたり
抱きしめてもらったりする事
それへの
罪悪感。
これは、
拭えないかもしれない。
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