マルコ長編連載夢
□30想いは重なる
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あの時、このナディアさんが放った言葉。
「私、あの時ぶつかった時。あなたに一目惚れしちゃったんです!だから、傍にいさせて下さい!」
この言葉を聞いた時。
ただ、
ただ
目の前が真っ黒に塗りつぶされた。
今までに感じた事の無い
感情。
そして、のしかかる重い事実。
ナディアさんもマルコを好きになってしまったという事。
そして、ナディアさん本当に綺麗で憧れる程の美貌。
すらりとしていて、しなやかそうな細い体。
全てが美しかった。
こんなに美しい人がマルコを好きになってしまったんだ。
私が持ってない物を全て持ってるこの綺麗な人が・・・
ズキ ズキ
私は襲い来る胸の痛みに耐えながら、マルコとマルコにしがみつくナディアさんを黙って見ている事しか出来なかった。
できる事なら
お似合いのように思える二人を本当は見たくなかった。
かっこよくて胸がきゅんってなるマルコ
誰もがその美貌の虜になっちゃうようなナディアさん
だけど、私の目が言う事を聞かず
ただ二人を見続ける。
私ひとり取り残されたような気分になった。
こんな時・・・
自分でもどうすればいいのか分からない
だから、私には、黙って存在をかき消すような事しか
出来なかった。
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