マルコ長編連載夢
□14神秘の島 上陸
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シャミアはもう見えなくなる。
「サッチ、何固まってんだい。親父が呼んでんだろぃ?」
目の前のマルコは
見てるこっちがムカつくような笑顔で
俺に声をかけてくる。
昔の俺だったら
親父が呼んでるのにこんなとこで時間なんてくわねぇ
でもなァ
今の俺は・・・
今の俺にとっちゃァこっちの方が大問題に思えるんだ。
シャミアのさっきの台詞が俺の頭の中で反芻した。
いってらっしゃい マルコ マルコ
マルコぉ?
とりあえず真相をたしかめなくちゃはじまらないゼ。
俺は慎重にマルコに聞く。
「おいおい、マルコどうゆうことだ?さっきの・・・」
俺の知らない間に何かあったに違いない。
イヤな予感が的中しなけりゃいいんだが・・・
「サッチ、ちょっと前に俺が話したろい?シャミアを本気で愛しちまってるって」
「あぁ・・・」
俺のイヤな予感は的中した。
そりゃ俺も覚悟がなかった訳じゃない。
シャミアはもともとマルコについていきたかったみてぇだし、マルコがシャミアに本気だって俺も知ってたからなァ
でも、こりゃねェゼ。
俺がマルコに挑む前に終わっちまうなんて。
「シャミアに告白したんだよい。それで信じられねぇ事にシャミアは俺と恋人同士になる事を認めてくれたんだぃ!アイツに名前をはじめて呼ばれたんだよい。隊長でもさんづけでもねェ、名前だけをだぞ!」
こっちの気も知らねぇで
マルコの奴いい気でしゃべりやがる。
ちきしょう。
俺も サッチさんじゃなくて サッチって呼ばれてぇ。
そこじゃねぇ
そこじゃなくて
シャミアとマルコが
恋人同士か・・・
俺の心に真っ黒な事実が突き刺さった。