ロー長編連載夢

□05潜水艦生活その1
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「おい…」

船長に突然呼ばれ、声を震わせながら返事をする。

「は、はいッ」

「俺に対してのその反応…やめろ」

「え?どういう…」

「お前…俺に、やけにビビってねェか?」

「え?…そうですか?」

「明らかに…態度がおかしいだろ。昨日までの態度と違ェ…今の態度はなんっつーか…」

「…?」

「目障りだ」

うぅううう。

「いちいち、ビクつくな…何をそんな怯えてる。正直に言え。俺に嘘はつくな。」

これは、船長命令という事なのだろう。
しかし、態度を変えたつもりはなかったのだけど…
どうして、この人は分かってしまうのだろうか。


「あ、あの…みんなから聞いた話なんですが…、ひっ」

みんなから聞いた話のところで、普段よせたこめかみが、さらにぎゅっと寄せられ悲鳴をあげる。

「いいから、話を続けろ」

「その…船長が…戦闘で敵をバラバラにするって話を聞いて…なにも普通に倒せばいいのにバラバラにするってあたりが…私は怖くて…」

「それが俺の能力を活用した戦闘スタイルだ。文句は言わせねェ」

「で…でも、あまりにもバラバラにするなんて…凄惨な状況になるじゃないですか。あたり一面血の海になったり…手足が転がって…いたり…恐ろしくて…何もそこまでしなくても…って」

その言葉に船長は一瞬固まったかと思うと、
急に表情を緩めてへへっと笑い出す。

「お前…まさか…あいつらから、俺の能力聞いてねェのか?」

「の、能力?」

「悪魔の実って言葉は流石に聞いた事あるだろ?」

「はい」

「俺も、その悪魔の実の能力者だ…説明するより…見せた方が早ェか…」


そう言った後、突然立ち上がった船長。片手にはいつもの刀と…もう片方の手には…何やら高速回転している空気?

「″ROOM!″」

「え?船長??」


私があたふたしている間に…

部屋が蒼白く包まれた空間に変化した。
そして…
船長は突然刀を抜いて


「え?えええ、ちょっと船長!!」


「メスっ」

それは、突然すぎる出来事であった。


あ!!


き、斬られッ…


と頭で判断はできても…
身体はよけることもできず…

気づけば倒れていて、
視界に自分の切れた下半身がうつり

目が点になる。

世界がスローモーションにうつり、


私は斬られたの?

死んじゃうの?

やっと…半吸血鬼から…

治せる糸口を掴んだと思ったのに…

もう、終わりだなんて…


私はそのまま目を閉じ、床に倒れ込む。


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