ロー長編連載夢
□05潜水艦生活その1
4ページ/5ページ
「おい…」
船長に突然呼ばれ、声を震わせながら返事をする。
「は、はいッ」
「俺に対してのその反応…やめろ」
「え?どういう…」
「お前…俺に、やけにビビってねェか?」
「え?…そうですか?」
「明らかに…態度がおかしいだろ。昨日までの態度と違ェ…今の態度はなんっつーか…」
「…?」
「目障りだ」
うぅううう。
「いちいち、ビクつくな…何をそんな怯えてる。正直に言え。俺に嘘はつくな。」
これは、船長命令という事なのだろう。
しかし、態度を変えたつもりはなかったのだけど…
どうして、この人は分かってしまうのだろうか。
「あ、あの…みんなから聞いた話なんですが…、ひっ」
みんなから聞いた話のところで、普段よせたこめかみが、さらにぎゅっと寄せられ悲鳴をあげる。
「いいから、話を続けろ」
「その…船長が…戦闘で敵をバラバラにするって話を聞いて…なにも普通に倒せばいいのにバラバラにするってあたりが…私は怖くて…」
「それが俺の能力を活用した戦闘スタイルだ。文句は言わせねェ」
「で…でも、あまりにもバラバラにするなんて…凄惨な状況になるじゃないですか。あたり一面血の海になったり…手足が転がって…いたり…恐ろしくて…何もそこまでしなくても…って」
その言葉に船長は一瞬固まったかと思うと、
急に表情を緩めてへへっと笑い出す。
「お前…まさか…あいつらから、俺の能力聞いてねェのか?」
「の、能力?」
「悪魔の実って言葉は流石に聞いた事あるだろ?」
「はい」
「俺も、その悪魔の実の能力者だ…説明するより…見せた方が早ェか…」
そう言った後、突然立ち上がった船長。片手にはいつもの刀と…もう片方の手には…何やら高速回転している空気?
「″ROOM!″」
「え?船長??」
私があたふたしている間に…
部屋が蒼白く包まれた空間に変化した。
そして…
船長は突然刀を抜いて
「え?えええ、ちょっと船長!!」
「メスっ」
それは、突然すぎる出来事であった。
あ!!
き、斬られッ…
と頭で判断はできても…
身体はよけることもできず…
気づけば倒れていて、
視界に自分の切れた下半身がうつり
目が点になる。
世界がスローモーションにうつり、
私は斬られたの?
死んじゃうの?
やっと…半吸血鬼から…
治せる糸口を掴んだと思ったのに…
もう、終わりだなんて…
私はそのまま目を閉じ、床に倒れ込む。
.