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□君に視線が釘づけです
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最近やけに視線を感じる。訓練してても食事をしてても部屋でゴロゴロしていてもだ。恐ろしい。特に最後、なんで部屋にいるのに視線を感じるんだよ。ストーカーにでも付きまとわれているのだろうか?まあ確かに私は可愛くて優しくておしとやかでパーフェクトな美少女だからストーカーの1人や2人いてもおかしくないけどタダで見られているのは腹立つ。見るなら金払えや。

そんなわけでタダ見されているのはムカつくので犯人を探してみることにする。予想はロクサリーヌだな。部屋にいても視線を感じるということは同室の奴でないと犯行はあり得ない。ロクサリーヌはこの間入ってきた新兵の金髪の女の子見て御姉様って呼ばれたいわってうっとりした声で呟いていたからそっちの人間であるのは間違いない。つまり恐らく私のこともそういう目で見てたのだろう。やれやれ、困った人だな。それならそうと言ってくれればいいのに。私も御姉様とお呼びしてもよろしいですか?金髪巨乳美女のお姉さまなら大歓迎です。

ロクサリーヌに早速確認してみたら違った。ロクサリーヌは犯人ではないらしい。『ごめんね、私年下の女の子が好きなの』って言われたんだけれど何で私が振られたみたいになってるの?違うから!ロクサリーヌのことなんて好きじゃないわよ!ぐすん

ではじゃあ誰が私のこと見てるんだろう?と思ったら私は見てしまった。見つけてしまった。マジかよ、嘘だろ?

窓の外にこちらをじとーとした目で見ているリヴァイ兵長を私は見てしまった。おまけに目があった。思わずぎゃふっとかなんか変な声出ちゃったよ。マジですか?まさかのリヴァイ兵長が犯人かよ。何やってんだよ人類最強。そんなところで無駄に立体機動の技術駆使しないでください。壁に張り付いているリヴァイ兵長見たときの私の心境は台所でG見つけた時より最悪だった。

向こうも目が合ったなことに気がついたのかチッと舌打ちすると顔の前に手をクロスさせるとこちらに向かって突っ込んできた。え、突っ込んできた?ちょっ、なんだと!!?

慌てて窓から退避した瞬間リヴァイ兵長が窓を突き破って侵入してきた。わおっ、なんというダイナミックなお邪魔しますだ。取り敢えず兵長、ここ女子棟ですよ?規則に従順な兵長どこいった。



「バレちまったのなら仕方ねえ。てめえに聞きたいことがある」



あからさま不機嫌な顔をしながら兵長はそういった。おいおい、人のことストーカーしてた言い訳はないのかよ。一切合切無視して開き直るなんて男らしいですね兵長。でも許しませんよ。取り敢えず窓ガラス弁償してください。

それはさておき兵長は何か聞きたいことがあるそうだ。この状況で何が知りたいんだよ。私は兵長がモラルをどこに置いてきたのか知りたいわ。まあいい。で、何ですか兵長。



「はい、なんでしょうか?」


「てめえは何でいつも俺の視界に入ってくるんだ」


「は?」



思わず上官を前にしてるにもかかわらず素で答えてしまった。何いっているんだこいつ。私が兵長の視界に入る?違うだろ。兵長が私をなめ回すような視線でしつこくねちねちと見てくるんだろ?なに人のせいにしてるんだよ。私じゃねえよ兵長のせいだ。



「仰る意味がわかりません。兵士長が私を見ているのではないのですか?」


「違うだろ。お前が俺の視界に入るように動いているのだ?」


「いやいやいや。そんなことあるわけないじゃないですか。大体今だって私自分の部屋にいたんですよ?兵士長の視界に映ろうとしているんだとしたら可笑しな行動じゃないですか」


「そりゃあれだろ?俺が立体機動使って壁の掃除してるの見えたから視界に入れるようにこの部屋にわざわざ入ったんだろ?」



そう兵長は眉を寄せて何当然のこと聞いているんだ?というような表情をした。このおっさん何言ってるんだ?ダメだこいつ早くなんとかしないと。

なんで私が兵長に見られる為に自分の部屋に戻ると思ってるんだよ!どういう思考だ!意味がわからん!ちょっとハンジ分隊長呼んでくるので頭の中見てもらって下さい。多分頭のネジが3本くらいなくなっているんだろう。新しいものつけてもらってください。



「で、なんでお前は俺に見られようとしてるんだよ。いいから答えろよ」



兵長がイライラしながらそういう。なんだその私が露出狂になったかのような言い様は。だから兵長が私を見たいんだろ!私のせいにするなよ!兵長が私を見る理由だって?そんなの知るわけがないだろ!無難に私のことが好きだからじゃないのか!!?



「わかりませんよ。好きだからじゃないでしょうか?」



異性を見ていたいなんてそれくらいの理由しか思い付かねえよ。にしても兵長の深層心理が変態だったとは驚きだ。まさかストーカー体質だったとは。人類最強が変質者な場合何処に訴えればいいのだろう。誰も勝てないじゃん。オワタ

そういうと兵長は目を見開き唖然とした。わなわなと身体を震わせゆっくりと口を開いた



「好きなのか?」


「そういうことじゃないでしょうか?それくらいしか兵士長に見られる理由が思い付きません」


「そうか、お前俺のことが好きなのか」



やっと兵長が正しく状況を認識したと思ったら違った。それどういう誤解だよ!なんで私が兵長のこと好きになってるんだよ!ちげえよ!お前が私のこと好きなんだろがこのファキン野郎ッ!なんで物事を全部自分の都合のいい解釈に持っていくんだよ!もっと客観的視点を持ちやがれ!

もう本当頭が痛い。しかも誤解した兵長が調子乗ったのかニヤニヤと下品な笑みを浮かべている。ホント死ねばいいのに。



「そうか、俺のことが好きなのか」


「いや、あのですね兵長。私は」


「それならば仕方ない。部下の頼みを無下にするのもなんだし付き合ってやってもいいぞ?」



兵長はドヤ顔でそういった。殺意が沸いたわ。巨人のくせぇ口の中に突っ込んでやりたい。なんで私がこんなおっさんと付き合ってもらわなければならないんだよ。もう同情はしない。こんな目付き悪いチビなおっさんなんか再起不能になるほどメタクソに振ってやる!三十路のガラスのハートをバキバキにしてやる!覚悟しろ!私はやるときはやる女だぞ!



「兵士長お気持ちは嬉しいですがいや嬉しくもなんともないけど、なんで私が兵士長みたいな三十路で目付き悪くてチビな」


「いいか。俺と付き合うならばまず朝はおはようのちゅーをして優しく俺を起こし俺の着替え、特にシャツを着せるところは絶対に手伝い朝食を互いの食事をお互いに食べさせるようにして食し昼は休憩時間の度に口移しで水分補給を行い夜は夕食とお前を食べてキスをして手を繋ぎながら眠ることが絶対条件だ。いいな?わかったな?間違えたら削ぐ。今日の夜から来い。以上だ」


「え、ちょっと待って兵長」



それだけ言うと兵長は立体機動に乗って窓から去っていった。消えていった。見えなくなった。流石兵長立体機動の腕は素晴らしいですね。というか人の話聞けよ

兵長をメタメタに罵ってやろうと思ったのに兵長は自分の言いたいことを言うだけ言うと去った。自己中もいい加減にしろよこの野郎。てかどうなったの?これ私兵長の恋人になっちゃったの?嘘だといってよバーニィ。マジでガチなの?

私は壊れた窓の前で呆然と立ち尽くす。

ああ、窓が壊れたから今夜は寒いだろうなと思ったところで今夜は兵長の部屋に呼ばれていたことを思い出す。なんてこった、どう考えてもいただかれるしまいますね。とうしよう、もう本当にどうしよう。でも行かないと削がれるんだよね?人類最強の削ぐは威力が違うよ。

結局私はロクサリーヌが戻ってくるまで呆然とその場に立ちすくんでいた。ロクサリーヌは例の新兵とのファーストコンタクトに無事成功したらしい。うらやましいわ。その幸せ1割でいいから分けて。

こうして私に理不尽な恋人ができたのだった。



〜君に視線が釘付けです〜


(おい遅せぇぞナマエ!)


(え"、まだ訓練終わって5分しかたってねぇよ。なんでここにいるんだよ。ああああっ!わ、わかりました!行きますからドア壊さないで!)


ーendー

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