ブック(ネタ)

□君が好みなのだから仕方ない
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突然だが私は男の子が好きだ。男の子であって男ではない。私は15歳以下の少年が好きだ。まあつまり私は所謂ショタコンという奴なのだ。なに?変態だって?馬鹿をいうなただの本能だ。女でショタがダメな奴なんているわけない。ほら、ちょっとかわいい男の子に『僕が大きくなったらお姉さん結婚してくれる?』って言われたらときめくだろ?つまり貴方もショタコンだ。

そんなわけで私は小さい男の子が大好きだ。休みの日にすることは公園のベンチに座ってニヤニヤショタを眺めることと小学校への通学路を見張ることだ。それは流石に不審者として憲兵団に通報されてしまったので今は望遠鏡から眺めている。でもやっぱり裸眼でみたいよー

このように少年を愛でて幸せな日々を送っていたのだがある日私に運命の出会いが起こった。それは調査兵団が壁外から帰還してきた時のことだった。

調査兵団に憧れてキラキラした眼差しで調査兵団の凱旋を見ている少年達にニタニタとゲスい視線を送っていたときのことだった。ふと視界に入ったそれに私の心臓はぶち抜かれた。

不機嫌そうな顔に鋭い目付き、短く刈り上げた髪に低身長(160cmと見た!)の容姿を持つ少年が私の目の前を通った。それはまさしく私のストライクゾーンをぶち抜く容姿だった。

可愛いいぃぃぃー!人相悪いのがたまらん!あの子に短パン履かせて走らせて転んだところで『べ、べつにいたくないもん!』って涙目で強がらせたい。やべぇっ、ときめいた!マジきゅんきゅんする!

その日調査兵団の中にいたその小さな少年に私は心奪われた。ならばすることは1つしかない!

私は早速兵団に申し込んで厳しい訓練を受けて兵士になった。目的は1つ!調査兵団に入隊してあの子を手に入れるため!

その為に私は血反吐を吐きながら頑張りメキメキと力をつけそして訓練兵3位という好成績を叩きだし憲兵団行きを蹴って調査兵団に入団した。

そして速攻であの目付きの悪いショタっ子にラブレター書いてアタックしたのだが、したのだが…






「ううっ、騙された。酷いこんなのあんまりだッ‥」


「こらこら泣かないのナマエ。にしてもリヴァイが泣いている女の子を連れてきたと思ったら予想以上に凄い理由だったね。ぷっ」



恋に敗れ泣きじゃくる私をハンジ分隊長が背中をポンポンと叩き慰めてくれる。だけれどもハンジ分隊長の口元はプルプル震え時折堪えきれなかった笑い声が漏れていた。この人面白がっているだけだな。人の不幸を喜びやがってチクショウ!

調査兵団に入団した私は即座にラブレターを持参してショタっ子ボーイことリヴァイ兵士長に告白した。3年分の思いが爆発したんだ。好きです!付き合ってください!



『壁外調査から帰還したお姿を拝見した時からずっと好きでした!うおおおおっ!!実物はさらに可愛ええ!!妄想の産物なんかよりずっとかわいいぃぃぃーー!!もう本当に好きです!そのショタフェイスに魅了されました!!愛してます!お姉さんといいことしよ?』



勢いとテンションでそう告白した私にリヴァイ兵士長はドン引きした顔で一言だけ言った。『俺は30超えてるぞ』、と。

…嘘だあぁぁぁーー!!その顔で30越えだと?!ありえん!なにその童顔!嘘だろ兵士長!!

私はその言葉を聞いた瞬間唖然とした。当然だ。私のストライクゾーンをぶち抜いたショタ顔のリヴァイ兵士長が30歳超えてたのだ。ショタどころじゃねぇ。どう言い繕ってもおっさんだ。こ、こんなはずでは!

リヴァイ兵士長は15歳以下の少年ではなかった。それどころかそろそろ加齢臭を気にするお年頃のオッサンだったのだ。それを理解した瞬間私はその場に泣き崩れてしまった。いやもう涙腺が崩壊したね。私の3年越しの恋が終了したのだ。

リヴァイ兵士長は突然泣き出した私にぎょっとすると近くの部屋まで連れてきてくれた。そしてたまたまその部屋にいたハンジ分隊長が驚きながらも事情を聞いてくれてそして慰めてくれているというのが現状だ。



「ひっく、うっ、だって私はリヴァイ兵士長が好きだからあの辛い訓練を頑張って死亡率NO.1の調査兵団に巨人の餌になる覚悟で来たんですよ?それなのに兵士長がヤンチャ系ツンデレショタじゃないとかもうこれは詐欺ですよ。今からでも幼稚園の先生になれないかな」


「それは未来の子供達の為にも全力で止めておこうかな。別にいいじゃないこのリヴァイでも。確かにオッサンだけれども好きなんだよね?ならいいじゃないか」


「嫌ですダメです。私はショタコンなんです。小さい男の子を愛でながら自分好みに育てることが私の夢なんです。だからおっさんなんかで妥協できません」


「めちゃめちゃゲスいな君」



ハンジ分隊長の呆れた声が聞こえてきたがここは妥協できん!私は光源氏のロリコン伝説をショタバージョンで実行すると心に決めているのだ。絶対にちっさい男の子に『僕のお嫁さんになってください』って言ってもらうんだ!そのためなら命だって惜しくないね!はぁー、リヴァイ兵士長は残念だったけど他の少年を見つけるか。本当に残念だ



「仕方ないのでリヴァイ兵士長のことは諦めます。リヴァイ兵士長が結婚して息子さんが生まれたら連絡下さい。では」


「おい待てよ」



涙を拭って部屋から退出しようとした瞬間今まで黙っていた兵士長が席を立ち私の腕を掴んだ。やべぇ、兵士長手もちっちゃい。ますます好みだ。いやいや兵士長が好みでももうダメなんだって。落ち着け私。ひっひっふー。うんオッケー。で、兵士長なんですか?



「はいなんでしょうか兵士長」


「これだけ人の純情弄んどいて何もなしにさよならか?ふざけるな」



そう兵士長はムスッとした顔で言った。え、純情?なんのことだ?兵士長の純情がどこにあるとか私知らんぞ?弄んだ記憶はございません。



「好みの女から告白されたと思ったらガキじゃねぇから無理だと?ふざけるのもいい加減にしろよ。ガキが生まれたら?お前が産めばいいだろ」



気が付いたら目の前に兵士長の顔があった。あっという間に視界が兵士長でいっぱいにかる。遠くからハンジ分隊長のうわーって楽しそうな声が聞こえてきて兵士長にキスされていることに気が付いた。え?ちゅー?私兵士長にキスされているの?え、なんで?

ひょっとして兵士長私からの告白嬉しかったのか?私と付き合いたいと思ったのか?マジで?兵士長趣味が悪いですね。どこが好みだったのだったのだろう。顔か?私も兵士長の顔は好みです。

ゆっくりと唇が離れていき呆然と兵士長の方を見ると兵士長は顔を赤くしプイッと背けた。なにこいつかわいい。



「俺のことが好きなんだろ?なら付き合え」



そう耳まで赤くして兵士長は言った。どうしよう、このおっさん可愛い。15歳以上だけど、それどころか好みのダブルスコアに到達しているけどどうしようもなく可愛い。今のキスも私の方が背高いから背伸びしたんだよね。そろそろきゅん死するかもしれない。

私の顔も赤くなる。だって兵士長は私の好みどんぴしゃなんだもん。ちょっとツンデレ入っているところが最高にたぎります。ならば答えは決まってる。私はこくりと頭を縦に振った。



「はいよろしくお願いします」



そういったところで私達はこの部屋にハンジ分隊長がいることを思いだしひと騒動起こるのだがまあそれはもうどうでもいい。ハンジ分隊長なんて今の私には空気だ。リヴァイ兵士長しか見えていません。

ハンジ分隊長にからかわれて顔を赤くしているリヴァイ兵士長にきゅんっとする。

ショタコンだけれどもどうやら私はショタなおっさんは範囲内だったらしい。




ー君が好みなのだから仕方ないー



(リヴァイさーん、リヴァイ班に15歳の男の子が入ったんですよね?ショタですか?会いたいです)


(ふざけるな浮気か許さない。絶対に会わせないからな)




ーendー

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