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□とあるロク刹の休暇の過ごし方
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「あそこまで怒るこたぁないだろ…」
食事後、大絶賛落ち込み中のロックオンはベッドでうつ伏せになっていた。
刹那はそのベッドの端に座っている。
「…さすがにやりすぎた。(実はちょっと楽しかったが…)すまない」
刹那が謝るとロックオンはガバッと起き上がった。
「刹那っ!!」
「ちょっ、ロックオン!」
急に抱きつかれ、バランスを崩した刹那はロックオンと共にベッドへ倒れた。
そのままぎゅうと抱きしめられる。
「避けられてるのかと思ってたんだぜ…?刹那…」
やはり昨夜のことが原因か…刹那は納得した。しばらく忙しくてお預け状態だったのに、休暇の初日にさっさと相手に寝られてしまったのだ。ロックオンが不安がるのにも納得がいく。
「すまない、ロックオン。寝転がって待っていたんだがいつの間にか寝てしまっていた」
だが、ロックオンは違う、というように首を振った。
「…まぁそれもあるが、俺が一番気にしてたのは……1週間前から1回もキスすらさせてくれないだろ?『今日は多い日だ』とか言っちゃって…。お前さんが冗談を言えるようになったのは喜ばしいことだが…」
「エクシアの調整が上手くいっていないとイアンが言っていた」
刹那に言葉を遮られ、ロックオンは顔を上げた。
「だが、回復に向かっていると昨日、アンタが風呂に入っている間に連絡があった」
「……言われてみれば確かに1週間前の模擬戦闘訓練で何か調子おかしかったもんな。それで…安心して寝ちまったって訳か」
ロックオンはなるほど…とため息をついた。ここ2日刹那がつれなかったのはエクシアの不調のせいだったったのだ。刹那は“ど”がつく位のガンダム馬鹿である。馬鹿、というか刹那は自分がガンダムそのものになりたがっている節がある。
だからエクシアの不調は刹那の不調であるのだろう。
ロックオンは刹那のそういうところを分かっていたが、そこまでは思い至らなかった。
「避けられてる訳じゃねぇってのは解った…でも一言くらい言ってくれても良かったんじゃないのか?」
ロックオンの瞳に少し悲しげな色が見てとれて刹那は目が合わせられなくなった。ロックオンは続ける。
「前々から言ってるけどな、刹那。お前はちょっと言葉が足りないぞ?俺は刹那のことは分かっているつもりだが、伝えなきゃ分からないことだってあるんだ」
「すまなかった。今度からは気をつける」
刹那はうつむき、キュッとロックオンの上着を握った。ロックオンは刹那の上半身を抱え込む。
「頼むよ、俺の可愛いきかん坊」
「了解した。だがその呼び方はやめろ」
刹那はムッとした顔をする。しかし刹那がそんな顔をしたってロックオンには可愛いもので思わ笑みがこぼれる。
「悪い悪い」
ロックオンは笑いながら刹那の耳元に口を寄せた。
「愛してるよ、刹那」
「……ぁ」
甘い声で囁かれて刹那は体に痺れが走るのを感じる。目を閉じる刹那にロックオンは唇を落とした。
始めは表面をそうっと触れるだけだったのが次第に貪るようなものに変わっていく。
刹那はそんなロックオンを甘受し、首に腕を回した。