NOVEL<<OO
□lamentation
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「――な、起きろって」
「刹那!」
「ロックオン…?」
ロックオンは心配そうに刹那を覗きこんでいた。
大きな掌で刹那の額の汗を拭ってやる。
「泣いていたぞ。怖い夢でも見たのか?」
刹那の脳裏に蘇るさっきの夢の内容。切なさで胸が締め付けられる。
ロックオンはロックオンでも今目の前にいるのはあのロックオンではないのだ…
「刹那?」
「…いや、少し昔の夢を見ただけだ」
心配するな、と無理に笑ってみせた。それを見てロックオンの表情が曇る。
「無理するな、刹那。俺には何だって言っていいんだぞ」
ロックオンは毛布の上から包み込むように刹那を抱きしめた。
ライルからはニールと違ったシトラス系のシャンプーの香りがする。でも遺伝子が同じ双子の体臭は同じもので。
刹那はニールの匂いを探すようにライルの首元に顔を寄せた。
刹那はライルのことも勿論仲間以上に思っていたが、ニールへの想いを断ち切ることが出来ないでいた。
ライルには悪いことをしていると思っている。
ニールの代わりを埋めてもらうなど許されない行為だ。 けれど、それでもライルは…
「…もしかして兄さんの夢か?」
「……すまない」
「……いいんだ、刹那…いいんだ……それでも俺は…」
ロックオンは刹那をいっそう強く抱きしめた。
「すまない…ロックオン」
刹那は消え入るように言うとライルにしがみつき、子供のように大声で泣き出した。
ライルもまた、泣いていた。誰よりも側に居るのに刹那が一番に想っているのは兄のニールなのだ…
『泣かせてんじゃねぇぞ、クソ兄貴……勝手に死んでんじゃねぇよ…』
ライルはやりきれなさに拳を握った。
刹那はただ、泣き続ける。少年っぽさがまだ抜けきれない青年が目を腫らして泣きじゃくるのは見ていて痛々しい。
ライルはギュッと胸が締め付けられた。
「刹那は…俺が守る……俺が側にいるから…」
ライルは刹那を強く強く抱きしめた。
すみません、病んでたんですきっと(逃)