私立こだま学園高等部

□第三話
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「春紫苑!」

「はい!!」



突然名前を呼ばれた春紫苑が驚いて背筋を伸ばす。



「おまえも師匠(せんせい)がアトランティスを探しに行かれて大変なのは分かるがあまり遅刻をすると校内清掃一か月に処されるぞ」

「アトランティスじゃなくてムー大陸です」



鷹ノ目先生が言う師匠(せんせい)というのは春紫苑の父のことである。
彼は鷹ノ目先生が大学生だったときのゼミの教授であった。



「とにかく! 今度遅刻したら二人とも理事長の銅像磨き一か月だ!」

「えええええ!!」



私立こだま学園の理事長はワンマンで独裁的な自らを『神聖理事長』などと称するいい年した中二病の老害である。
これは言い過ぎかもしれないがとにかく教職員、生徒の大多数が嫌っている人間である。
そんな理事長の銅像磨きだなんてある意味校内清掃よりもキツイ。



「その辺にしておいてあげたらどうですか? 鷹ノ目先生」



部屋の扉の方から鈴を鳴らすような声がして、春紫苑とイーグルが同時に振り向いた。
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