私立こだま学園高等部
□第三話
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その日の放課後、宣言通りイーグルが春紫苑の教室にやって来た。
「春紫苑!」
例のあの屈託のない爽やかな笑顔で春紫苑の名を呼ぶ。
と同時にクラスの女子の鋭い視線が春紫苑に突き刺さる。
「イーグル先輩!」
「さ、一緒に生徒指導室に行こうか。お説教はさっさと終わらせて部活に行かないとね」
先に言った通りイーグルとハルシオンは私立こだま学園のミステリー研究部の部員である。
ちなみに部員は他に春紫苑の親友である金糸雀がいるが、彼女はコーラス部と兼部している。
コーラス部は毎年全国大会に出場するほどの猛者なので練習が厳しく金糸雀はあまりミス研に顔を出せない。
部員に関しては今挙げた三名で構成されるミス研だが、ちなみに顧問はこの学園の生徒指導かつ地歴担当の鷹ノ目先生である。
つまり今から春紫苑とイーグルが向かう生徒指導室の主である。
「失礼します! 鷹ノ目先生!」
ガラリと勢い良く扉を開け放つと、広くはない部屋に充満した煙がムワッと漂って来る。
白くぼやけた視界の向こう側にだらしなく机上に革靴のまま両足を乗っけた鷹ノ目先生が座っていた。