rose knight―(冬月シリーズ)

□華は美しく、夢朧。
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―――鬼華國・弑名雅媽家・庭


春爛漫。
桜の花びらが美しく咲き乱れる。
俺は、少し大きくなった瀧覇に剣術を教えていた。


「剣の構えは逆手にしたら駄目!」


「うん…」


「相変わらず冬月兄様の稽古はキツいね。あれじゃ、瀧覇がへこたれるかも…」


「精神は図太いから大丈夫じゃないかな」


庭に設置されているベンチに座りながら観察している龍月と雪ちゃん。


「そう言ってると、冬月兄様手加減しませんよ?!」


「逞しく育ったりして…」


「逞しすぎるのもねぇ…ある程度の筋力でいいから教えてるんだけど…」


「冗談…」


瀧覇は素振りを一生懸命にしている。
俺はベンチに座っている雪ちゃんの前に立ち睨み付けた。
そんな逞しい体にはしません…

瀧覇の可愛さが減るじゃないか。


「それより、冬月ちゃん…」


「ん?」


「最近、ゆっくり安眠出来てる?」


「一応…二時間くらいは」


「短い…」


ギロっと睨みをきかしてきた雪ちゃん。安眠はしていない。
実は、ずっと夢を見続けているせいで安眠に値しないのだ。
夢は次々と場面が変わり正直、気が滅入ってしまいそう…
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