rose knight―(冬月シリーズ)
□華は美しく、夢朧。
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「嘘付いたら…鎖で繋げるよ」
真摯な瞳に視線を逸らしてしまう。
「龍月、瀧覇と一緒に屋敷に戻ってくれ」
「うん…」
素直な返事をして、龍月は聾覇の手を引き屋敷に戻って行く。 雪ちゃんの隣に座った…
「龍鬼と契約交わしてから…変な夢見るようになって…」
「変な夢?」
「黒いバロック状の扉の前に、幼い自分が立っていて…誰かが揉めてる声が聞こえる。暫くしたら、母様が幼い自分の手を引いて何処かに連れていかれる夢」
「…」
昨夜の夢の話をした。
「母様の悲そうな顔が頭から離れないんだ」
幼い自分の手を引いて歩いて行く母様の谺する声音に、悲しみに満ちた顔が忘れられない。何かに対して謝罪していた。
それは、あの冬の日も謝罪していた…
『冬月………ごめんなさい』
最後の言葉だった。
「ねぇ、雪ちゃん…」
「ん?」
「白薔薇騎士って何?」
「…っ」
俺は疑問に思った事を問い掛けた。
「ごめんね、冬月ちゃん…」
「ゆき…ちゃ………」
「まだ…君が思い出すには早すぎる」
咄嗟に眠気が誘う。
よく、聞こえにくかったけど雪ちゃんが謝っていた。