rose knight―(冬月シリーズ)
□炎の狂舞と松の華舞
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資料の内容を読んで二人は、確信へ変わる。千年という月日が過ぎようとしている中、目にしたのが煌野帝よりドロドロしていると柳は思う。
「どっちだと思う?犀亜が隠したかったのは…」
「琥炎…」
「だよな。しかし、孤独の中で育ったなら…普通は弧炎の方なのに…何で琥炎なんだろうか」
一つの疑問として残るのは詩の意味だけ。
具体的に考えれば、隠していたい御子の方は表沙汰にはしたくないハズ。普通に考えれば、孤独な時間を過ごしているのは『弧炎』。詩から察して、内容に誤りがある訳でもないのだ。
「こう考えのが妥当かも知れないぞ。元々、双子として生まれた二人。だが…皇華帝は双子は不吉だと言われている。普通に考えれば、最初に生まれた長男を表沙汰に出すハズなのだが、理由があり長男は出せなかった…」
「理由ね…」
「理由なんて…一つしかないだろう。琥炎は、正に母親である犀亜の残虐な部分を全て引き継いでしまった」
雪の解説を柳は暫し聞く事にした。