rose knight―(冬月シリーズ)
□炎の狂舞と松の華舞
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――煌野帝・資料庫
椅子に座りながら、皇華帝の資料が載っている本を二人で読んでいた。
既に机には置けず、床に積み重ねられている。すると…柳の手が止まった。
「やはり…」
「見つけたか」
「あぁ。俺達も、まだまだ老いてはいないらしい…」
嘆息な返事をし、自分が見つけた箇所を雪に見せた。
「老いているのは…柳と神樺伯父様と阿驪美夜だけで、俺は別に老いてはいない」
雪の饒舌さに眉をしかめる。
強調するかの様に自分の名前を言われた事が気に食わない。しかし、ここは抑えておこうと思った。
「『孤独の中で育ったから“琥炎”琥珀色の満月に生まれたから“弧炎”名とは息吹きを与えるのです』」
「どうやら、皇華帝の闇は…」
「朱巍の他に…もう一人か」