rose knight―(冬月シリーズ)
□炎の狂舞と松の華舞
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満月を見つめ語る。綺麗な金色の髪が風に吹かれる。
『姫百には逆らえぬ。私やソナタが逆らえないように……』
蘓芳の襲の袖から白き手が出る。
『のぅ…朱音』
『はい』
『あの事は…二人の胸に封印しておかぬか。決して、姫咲や朱巍に気付かれない様に。そして…『炎の宮』と『松の宮』で生涯を終わるのじゃ』
栗色の瞳が細まる。
彼女が言う事が正しい。
このまま…
胸の中で封印をしよう…
誰も知らない。
―――…孤独の中で育った秘密