rose knight―(冬月シリーズ)
□最愛なる白薔薇
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――――天神界・白薔薇本殿
純白と情熱を統一した一つの部屋。
「ぁっん、朱巍(あかぎ)様ぁ…」
ダブルベッドの縁に鎖で繋がれている青年が喘いでいる。サラッとした黒銀色の髪をした男性は、繋がれている青年を見るなり妖しい笑みを浮かべた。
「まだ、逝かせてあげませんよ。お仕置きなんですから…」
「ぁ、っはぁ…お許し…下さい…朱巍…さまぁ…」
暴れる度に鎖が手首を絞める。
青年の蕾を解しているのは、細い道具。妙な微動を与えている。
「失礼します」
喘ぎ声が響く部屋に入ってきた朱色の髪をした男性は、椅子に座る人物の方へ歩み寄った。
「来るころだと思ったよ。葉月(はづき)…」
「皇華帝の許可が下りました」
「そう…」
資料を男性に渡す。
「他の騎士には天神界に残ってもらう。老い耄れた爺の相手をしてもらわないと困る…」
掛けてある制服の上着をとる。
「私から赴くとしよう…」
「はい」