rose knight―(冬月シリーズ)

□千年歌に綴られる蔓延った闇
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――魔界・暁の道


混沌の世界の入り口は薄暗く、永遠の闇に続く道。紫御とイルアは薄暗い道を歩いていた。


「…紫月は、生きているのね」


「はい。ただ…あの日から眠ったままです」

イルアから聞いた話に紫御は安堵した。
亡くなったと思っていたとは裏腹に、弟はドコかで生きているという気持ちが大きかった。
まさか、あの日…彼が弟を魔界へと連れ帰ったとは思わなかったが、紫御は胸を撫で下ろした。


「安心しましたか?」


「えぇっ」


「兎に角、今は紫御様もゆっくりと休まれると良いでしょう。皇華帝の件は、後々…」


一つの大きな扉がある。これが、暁の道が繋ぐ魔界の門。
黒いアラベスクが彩られた立派な門をイルアは片手で開いた。
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