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□風邪にチュー意!
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「宍戸さん。…キス、してもいいですか?」


「はぁっ!?おまえ…いきなり何言って…」


「ねえ、いいでしょ…?」


「だっ、だめだ!風邪…うつっちまうって…」


「オレ、宍戸さんの風邪なら、うつっても大歓迎です」


「っ、おまえなぁ…」


宍戸さんは頬を真っ赤に染めながら、困ったようにオレから視線を逸らした。


「宍戸さん、好きです」


「長太郎…」


「大好き」


「お、おれも……長太郎が…好き…」


そう言って照れくさそうにしている宍戸さんは酷く可愛くて、オレは堪らず抱きしめていた。


「っ…ちょう…たろっ…」


「……」


「…ん…」


優しくキスを交わす。
熱のせいか、宍戸さんの唇がいつもより熱く感じた…。
僅かに開いた唇の隙間から舌を滑り込ませる。


「っ…」


オレは次第に我を忘れて、宍戸さんに貪りついていた――。









「んんっーー…!!」


その時、宍戸さんがオレの制服のシャツをギュッと強く握りしめオレの体を押し返してきた。


「…ふぁっ…はぁ…はぁ……ちょ、長太郎っ!!おまえ…キス、長すぎっ」


「す、すみません!宍戸さんっ…つい…」


「オレ、一応、病人なんだからなっ!」


「……はい、すみません…わかってます…」


オレは病人相手に何やってるんだろうか…。少し項垂れ反省する。


「長太郎」


「…はい」


オレが顔を上げると、頬を思いっきり赤く染めた宍戸さんと視線がぶつかった。


「…おまえ…風邪ひいたら…許さねぇからなっ」


そう言って宍戸さんはプイッとそっぽを向いてしまった。
オレは苦笑しながらそっと宍戸さんを抱き寄せる。


「オレのことは心配しないで…。それより宍戸さん、早く良くなってくださいね」


「…ん、サンキュ」








…そしてオレはまた宍戸さんに怒られるのを承知でキスをしたのだった――。




end.

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