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※ファルロス視点



夏の日差しに瞼の裏まで焼かれている。
君の裏にいる僕も焼かれている。
ほんの少しの息づかいでわかる。
君がどんな表情をしているのか。
君といつも一緒にいた僕はわかってしまう。
向かいに立つ、女の子の顎に手を添え、上向かせる。
期待と不安に震えている女の子に、君は困ったような無表情を向ける。
君は心の内で、あー残念、と呟いてから、苦笑に似た無表情を漏らす。
君はそっと女の子の震える瞼に口づけた。

「無理しなくて良い」

君はふわりと笑った。
君の何もかもを包み込んでしまいそうな眼差しに、女の子はホッとしたような顔で涙を流した。

女の子には優しく、なんて、君の中にいたからこそ、だと思うんだ。
計算たらしの宿主なもんだから。








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