復活連載夢
□とろける☆lazylove
〜9〜
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恭弥の腰に腕を回し、温い風を体に受ける。
「何でこんなに遅いの?」
このバイク、物凄く速そうなのに。
これじゃあ、安全運転どころかノロノロ運転じゃないだろうか。
「事故って、怪我させるわけにはいかない…でしょ」
可穏にだけは、なんて恥ずかしいけど。
なんとなく、なんとなく、少しだけ素直になれた気がする。
「そっか。ありがとう」
その言葉が、少しだけ嬉しかったから。
「べ、別に可穏の為ってわけじゃないからっ!」
…………台無しだよ。
さっき言ってたことと、正反対じゃない。
「恭弥」
「…何?」
「骸とちゃんと仲直りしてくるから」
恭弥のツンと尖った空気も、今なら痛いと素直に言えるだろうか。
「きょ………」
初夏の風が自分と恭弥の間を通り抜け、私の小さな呟きをかき消した。
「何?聞こえ「何でもない、よ」そ、そう…」
やっぱり…無理。
けれど、きっと大丈夫。
人間は変われる。
変わる為に努力出来たなら、何度諦めたって良い。
何度も変われるまで行動出来るなら。
きっと、待っててくれる人がいるから。
「……………可穏は何も悪くないんだから、骸なんかに謝ったら許さないよ。僕は…、君にあいつなんかと仲直りして欲しくないけど、可穏がしたいって言うんなら、………応援………する、から…」