復活連載夢
□とろける☆lazylove
〜8〜
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ぼんやりと教室の窓から空を見上げる。
骸と会わなくなってから、既に十日が過ぎ去ろうとしていた。
いい加減、この消極的な性格直さないと…。
この十日間の間に期末テストがあり、本日先ほど終わった。
今は、STの時間なのだけれど、私は己の胸の内に潜り、教師の話ほぼ全てを無視していた。
「……はぁ」
骸が現れなかったこの十日間。
只ひたすらにテスト勉強に費やした。
骸が本当に会いに来なくなったという事実がもたらした胸の痛みを、必死に勉強する事で誤魔化していた。
……………あぁ、恋する乙女のよう。
違うのだけれど、心境は正にそんな感じなのではないだろうか。
STが終わり、友人や数人のクラスメートに別れを告げられ、教室から私以外の人影がなくなる。
誰もがテスト終わりという事もあり、浮かれているのだろう。
そろそろ行かないと…。
椅子から立ち上がる。
(どうして、胸が痛むのかな)
教室を出て、生徒でごった返す廊下を抜ける。
だんだんと人気が無くなっていく廊下。
向かうのは、応接室。
つまり、恭弥のいる所。
応接室の扉が見える。
その距離約10メートル。
しかし、それ以上歩みが進まない。
その場で立ち尽くす。
骸の事で私が縋れるのは恭弥だけ。
……バカだよね。
ふっと自虐の笑みが浮かぶ。
それは、恭弥に対して酷いことなのだ。
一人で行かなきゃ。