復活連載夢

□とろける☆lazylove
〜5〜
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私が4つになったその日、私は初めて両親と離れ、姉と共に音原家の本家を訪れた。

訪れたその場所は、酷く大きな長い塀に囲まれ、私達に向かって開かれた門は、がっしりとした古い木で作られていた。
私達がその門をくぐると、きちんと手入れされた風流な美しい庭があった。
しかし、その庭には生き物の気配がなく、幼い頃から小さな生物の気配に敏感だった私には不気味に感じられた。
手入れのされた大きな庭を更に進むと、大きな純和風建築の建物が見えてきた。
その家には、長い年月の中で培われた威厳と風格があり、初めてそんな大きな家を見た私たちに、威圧感を与えるには十分すぎるほどだった。

屋内にはいると、私たちは着物を着た女の人に、長い廊下を案内されて、一つの大きな和室に連れて行かれた。

連れて行かれた広い和室の中には、ポツンと2人の男の子が座っていた。

この日、姉が何を思っていたのかは知らない。
しかし、姉は私の手を片時も放すことなく、威風堂々といった清廉な佇まいで私を守るように常に前を向いていた。
ただ、それだけで、私は泣き言を全て潰し尽くした。


姉の清香と私は4つ歳の離れた姉妹。
そこにいた2人の男の子達も兄弟で、兄の優也は私より二つ年上で、弟の要は私の一つ上。

私は、両親と離れた事と、これから起こる事を不安に思いながらも、1人ではないという事に安堵した。

私たち4人は初対面だったが、自分達が従兄弟同士だということを知ると、年齢が近かったこともあり、すぐに仲良くなった。
それに、これから長い間一緒に居る事も、知っていたから。


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