復活連載夢
□とろける☆lazylove
〜4〜
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side:雲雀恭弥
―時刻は深夜―
血だまりの中に立ち、鼻をつままずにはいられない程の血のにおいに包まれた僕は、僕の前で群れて騒いでいた為にグチャグチャになった不良共を蔑みを込めた目で睥睨した。
制服のポケットから携帯を取り出し、履歴の中から草壁の携帯に電話をかける。
そして、今居る場所を告げ、グチャグチャになった不良共の処理を任せると、僕は全身に飛び散った返り血もそのままに、その場を後にした。
ふと、空を見上げると、細い月が出ていた。
三日月よりもまだ細いくらいの月。
足の向くままに、何ともなしに歩いていると、気が付けば可穏の家の近くまで来ていた。
可穏の部屋の明かりは既になく、少なからずホッとする。
可穏に今の血だらけの姿を見られる訳にはいかなかったから。
それでも、僕はその場を離れがたく、ただ、ただ、ぼーっと可穏の部屋だけを見つめていた。
(これじゃ、まるでストーカーじゃない)
そうは思っても、君の近くにいるというだけで、僕の心臓はドキドキとうるさい。
自分の心臓の音が、こんなにもうるさいモノだと知ったのは、君に出会ってからだ。
傷つけたくないと思ったのも君が初めて。
君は僕にたくさんのことを教えた。
否応無しに、君に染められた。
決して忘れられない。
二度と以前の僕には戻れない。