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□恋なみだ
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最近変だ。



あいつの顔見るだけでドキドキする。

前みたいに何にも考えないで喋れなくなった。

あいつの隣に居るだけで嬉しくなるんだ。

・・・俺、病気かな。






「プーちゃん・・・それってもしかして、」

「恋、したんとちゃう?」

「・・・恋?つまり、俺があいつの事好きっていうことか?」


「うん。で、相手は誰?」
「教える訳ねーだろ」



「え何?もしかして俺とか?」
んな馬鹿な。



「俺にしとけって。な?」
しつこいぞ、フランス。



「あ、チャイム鳴った」
「また誰か教えてやー?」
絶対言わねぇよ。



「ほらプーちゃん、スカート一回くらい折って。一応女の子でしょ」
一応って何だよ!



最近変だ。
・・胸が痛い。



授業する先公の声を聞き流しながら、窓の外を眺めた。
目線の先にはあいつ。



俺の幼馴染・・・ハンガリー。



小学校まではフランスとかスペインみたいに普通につるんでたのに、
中学校入ってから急に男友達とばっか遊びやがって・・・。

クラスも離れたし、全然話せてない。

たまに廊下ですれ違っても無視だぞ?
あーもうムカつく・・・。


「・・イセンッ!プロイセン!!聞いているのですか、このお馬鹿!」


先生うぜー。


「先生、気分が悪いので保健室に行ってきます」

「あッ、お待ちなさいッ!!」

うっせぇな。


勢いよくドア閉めてやったら自分の足挟んだ。
後ろから聞こえる笑い声。
ついてねーな畜生。


・・・痛ぇ。




階段を上り屋上の扉を開くとやけに青い空が目についた。
透明な風が心をかき乱す。

誰か居る。
え、あれもしかして・・

「プロイセンじゃねーか」

えぇッ!!?やっぱハンガリー!?
回れ右しようとした時、ハンガリーが近づいてきた。

「聞きたい事があるんだけど」

何だよ改まって。

「何?」

背高ぇな。
ついこの前まで俺より低かった癖に。
しかも、こんなに肩広かったっけ?
・・・男だから当たり前か。

「あのさ、」

あぁ、耳を塞いでしまいたい。
聞きたいけど聞きたくない。

教えろよフランス、スペイン。
こういう時どういう顔したらいいんだ?








「お前、俺の事好き?」



・・・へ?

「え・・あ、・・すッ、好きな訳ねーだろ!!お前みたいな女男!」


あれ?


「・・・あ、そ。やっぱそうだよな。変な事聞いて悪かった。じゃな」



あれ?
今・・

今、俺何て言った?



「お・・おい、待てよッ!」

遠くで扉が閉まる音がした。
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