log2

□夏と彼氏と炭酸飲料水
1ページ/2ページ



青い空。
熱い日差し。

日本は今、夏真っ盛りでございます。


「日本の夏は良いね。俺、世界中で一番日本の夏が好きなんだぞ」


お褒めに預かり光栄です。
実のところ、私も自国の夏が気に入っております。
ここまでさっぱりした夏は他国にはございませんでしょう。

・・まぁ、私が夏が好きな理由は他にあるのですが。


さて。


「・・・時にアルフレッドさん。何故私の隣にいらっしゃるのでしょう?宿題はもうお済ませになられましたか?」

「えー面倒くさいんだぞぉー宿題なんてやらなくてもどうって事ないしね」


まったく・・どうして欧米の方々は計画性が無いのでしょう。


「キクはもう終わったのかい?」
「えぇ。7月中に終わらせました」
「本当かい!?」


そんな吃驚した顔をしなくても。
常識ですが。


「なぁキク、喉が渇いたんだぞ。コーラは何処だい?」

「・・・冷蔵庫にあります」


本当に子供ですね。
何故あんな人に告白したんでしょう・・
自分でもわかりません。


「んーッ!美味いんだぞ!!キクも飲むかい?」
「いえ、私は結構です」


普通。
すごく普通です。
私が告白する前と全然変わらないじゃないですか。

・・もっとこう、何と言いますか。
彼氏彼女的な何かが足りないのです。

確かにOK頂きましたよね?
『OK!俺もキクが好きだぞ。付き合おうじゃないか』って言いましたよね、貴方。

想っているのは私だけなのでしょうか。


「キク」
「何ですか」

「・・手、繋いでくれないかい」


へ?
ちょッ、ちょっと待ってくだs
何ですかこの急展開。
じじいの心臓止める気ですか。


そっと手を伸ばして、アルフレッドさんの指に触れました。
熱い体温。


あ・・甘酸っぱい。
これが恋なんでしょうか。

我ながら痛いです。


あら。
アルフレッドさん顔真っ赤じゃないですか。
もしかして・・・


「アルフレッドさん、緊張してます?」
「!?そッ、そんな事無いんだぞッ!」


さらに真っ赤。
図星ですね。
ならば次はカウンターで切り崩しましょう。


「・・・そうですか。実は私緊張してたんです。でも、それは私だけだったんですね。
アルフレッドさんは何にも考えていないんですね」

「ちッ違・・ッ!!」


うーわー。
可愛いすぐる。
これなんてギャルゲですかー?


「俺もッ、キクの事ずっと好きでッ!!急に告白されてッ!
それで今日やっと二人きりになれたのに・・・


緊張しない訳ないだろ?」


やられました。
持って行かれました、私の心臓。
不覚です。

こんなにときめいたのは何年ぶりでしよう。
どうしましょう。
眼鏡外さないで下さいよ。
貴方がかっこよすぎて私、死にそうです。



「キスしてもいいかい?」
「・・えぇ」


彼氏との初めてのキスは甘い味がしました。










「ところでアルフレッドさん」
「何だい?」
「先程、『キクの事ずっと好きで』って仰って頂けましたよね?本当ですか」

気になりますよ。

「あぁ、ほんとだぞ!学校でも朝偶然出会ったり、廊下ですれ違ったりした時とかドキドキしてたんだぞ」



奇遇ですね、私もです。
お互い同じ事を思っていたなんて・・・。
まるで、

「運命ですね」
「え?」
「あッ、なッ何でもありませんッ!!」


おっと危ない・・。
声に出てしまいました。


「キク」
「何ですか」


史上最強上目遣い。


「お願いがあるんだけど」
「何でしょう」











「君の宿題見せてくれないかい?」



そんなの・・ッ




「見せてあげるに決まってるじゃないですかァァァ!!」



嗚呼、貴方にだけは甘くなってしまいます。
これが恋なんでしょうかねぇ。

どうやら私は、とっても厄介な代物を抱え込んでしまったようです。



(まんざらでもない癖に)
(おや、バレましたか)



end
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ