〜桜茶〜
□堕
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燃える。
全て消える。。。
大切な皆…。
叫び声、幼い同胞-ナカマ-の泣き声。
あぁ、また斬られてしまう。
斬らないでッ…
僕達は静かな時間を。
「…様!逃げて下さい!」
「嫌だ!此所は僕の護るべき場所だ!」
「この地をこんな風にする判断を下したのは僕だ、逃げ出せる訳が無いだろッ!」
「駄目です!逃げて!…様、どうか逃げて生きて下さい!」
「貴方は我々一族の大切な御方。」
僕の側近である彼女は僕の背を押した。
「此所で朽ちてはなりません!さぁ、行って下さい!」
僕は走るしかなかった。
居場所を望んだだけ。
僕が間違ってしまったの……。
「うわァー!助けt…。」
走っている時。
同胞に向けて振り降ろされる何人もの同胞の血を吸った人間の刀。
「ま、待ってッ…!や、止めて!」
「同胞-ナカマ-を斬らないでッ!」
僕が手を伸ばして叫んだ。
ザシュッ。
「ぐはッ!」
ビシャッ…。
−間に合わなかった…。−
目の前で斬られてしまった。
助けられなかった。
僕の判断でこの地の同胞をコロシタ。
「「「「「うぁぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛゛!!!」」」」」
バシュッ、グシャッ。
「ぎゃぁー!」
グシャッ。
「鬼だ!助けてくれッ!」
バシュッ。
目の前の人間を持っていた小太刀で殺した。
何人もの人間を殺した。
ただ転がっている元人間モノに何の感情も無かった。
あったのは、護るべき場所を失わせた己の未熟さに対する怒りと悲しみだった。
染まっていく手。
同胞を守れなかった罪だ。
この血は僕を何処まで堕とすのだろう…。
何処まで行けば皆が報われるのだろう。