novel

be in captivity
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「もうすぐ期末テストですね……」


――放課後

会話に詰まって、何となく振った話題だったのに

設楽先輩の機嫌はどんどん悪くなっていって――…。




――be in captivity





「あっ、ごめんなさい。先輩、成績悪いんでしたっけ?」

「うるさい、黙れ。お前よりはマシだ。」

「あっ、ひどい!どうせバカですよっ!」


バカはバカなりに一生懸命勉強してるつもりなのに、いまいち努力が報われない。

補習常連者だしな…。


そんなことを1人モヤモヤ考えていると、設楽先輩は突然立ち止まる。


「先輩?どうしたんですか?立ち止まって…」

「お前、どうせテスト勉強しないんだろ?」

「なっ…!ちゃんと勉強しますよ!」

「へぇ、勉強するのか。…じゃあ、ゲームしないか?」

「ゲーム…?」


突然何を言い出したのかと思って、思わず首を傾げてしまう。


「どんなゲームですか?」

「ああ。順位の悪かった方が、良かった方の言うこと何でも聞くっていう奴隷ゲーム。しかも10日間。」

「…………。」

「嫌か?もしお前が勝ったら10日間俺に何でもさせられるんだぞ?」


ニヤニヤしながら私を見る先輩。

もし私が勝てば、先輩に何でもさせることが出来る――…?


「……やりますっ!」


何か楽しそう。

そう、このときはそう思った。

このときだけは――…。




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「152位、か。」

「しっ、設楽先輩……」

「お前の負けだな。今日から10日間俺の言うこと聞けよ。奴隷なんだから。」

「先輩だって…!141位じゃないですか!」

「うるさい。勝ちは勝ちだ。」



――そうして、この日から10日間

私は先輩の奴隷となったのだ。




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